SiSりんくうタワー

SiSりんくうタワー：歴史と多機能が融合する超高層ビル

SiSりんくうタワーは、大阪府泉佐野市りんくう往来北に位置する、高さ256.1mを誇る超高層ビルです。2023年現在、日本で5番目に高いビルとして知られています。2019年10月までは「りんくうゲートタワービル」という名称で親しまれていました。

概要

総工費約659億円を投じて建設されたこのビルは、賃貸オフィス、同時通訳設備を備えた国際会議場、ホテルなど、多岐にわたる機能を有しています。日本国内の超高層ビルランキングでは、麻布台ヒルズ森JPタワー、あべのハルカス、横浜ランドマークタワー、虎ノ門ヒルズステーションタワーに次ぐ高さです。

建設当初、大阪南港のWTCビル（現大阪府咲洲庁舎）と高さを競い、わずか0.1m差で上回りました。6階にはりんくう国際会議場（RICC）があり、7階にはプール付きのフィットネスクラブ、9階には展示場が設けられています。8階から26階はオフィスエリア、1階から6階の一部と28階から54階はホテルエリアとなっています。

ホテル部分は当初「全日空ゲートタワーホテル大阪」として運営されていましたが、2011年に営業を終了。その後、事業譲渡を経て「スターゲイトホテル関西エアポート」として再オープンしました。運営会社であるりんくうゲートタワービル株式会社が破綻したため、2005年からはビルメンテナンス会社の子会社が管理・運営を行っています。

2012年には、香港の不動産投資会社「新龍国際（SiS International Holdings）」グループが買収し、2019年からはオフィス部分を改装して複数のホテルが入居する形となりました。これにより、一つのビル内に異なる運営会社のホテルが併存するという、ユニークな状況が生まれています。

歴史

バブル経済期にりんくうタウンが造成されましたが、バブル崩壊とともに多くの高層ビル計画が頓挫しました。その中で、大阪府が主体となって建設された当ビルは、バブル期の計画が実現した唯一の物件です。当初は、関西国際空港連絡橋を挟んで南北にツインビルを建設する計画でしたが、北側のみが竣工しました。

1996年の開業は、関西国際空港の利用客低迷と相まって、オフィスが空室となるなど苦境に立たされました。賃料収入が低迷し、赤字が続いたため、パスポートセンターや大阪府の事務所を入居させることで賃料収入を確保する対策が取られました。ホテルも累積赤字を抱え、2005年にはホテル経営会社が特別清算、親会社も会社更生法を申請する事態となりました。

その後、新生銀行とケネディクスの企業連合がスポンサーとなり、建物の売却が行われました。大阪府は、府関係事務所の入居継続、無利子融資の債権放棄、国際会議場の運営委託など、様々な支援策を講じました。

2019年には、ホテルマネージメントジャパンがオフィスフロアに新たなホテルブランド「オリエンタルスイーツ エアポート 大阪りんくう」をオープンしましたが、2022年に閉館。2023年からは後継ホテル「オディシススイーツ大阪エアポートホテル」が開業しました。スターゲイトホテル関西エアポートは、2020年から「新龍国際」グループ企業となっています。

主な施設・テナント

ホテル

スターゲイトホテル関西エアポート（1階～6階・28階～54階）
オディシススイーツ大阪エアポートホテル（1階・2階・15階・16階・19～24階・26階）

その他

大阪りんくう国際会議場（RICC）
セントラルスポーツフィットネスクラブ
本家さぬきや
中国国際技術智力合作公司（上海）日本支社

過去の施設・テナント

展望ホール「てんぼーるりんくう」
全日空ゲートタワーホテル大阪
オリエンタルスイーツ エアポート 大阪りんくう
アリタリア航空会社 日本支社
NHKりんくう文化センター
大阪府パスポートセンターりんくうタウン分室
世界観光機関（UNWTO）アジア太平洋センター
(一財)アジア太平洋観光交流センター（APTEC）

アクセス

JR関西空港線、南海空港線「りんくうタウン駅」に直結しており、交通アクセスも便利です。

SiSりんくうタワーは、その高さだけでなく、歴史や多様な機能、そして複雑な運営形態においても、注目すべき超高層ビルと言えるでしょう。

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