咲洲

咲洲：大阪湾に浮かぶ人工島の変遷と現在

咲洲は、大阪府大阪市住之江区に位置する、面積約1045ヘクタールの人工島です。大阪南港の別称として使われることもありますが、一般的には南港水路以北の人工島を指します。かつて住吉津・住吉浦と呼ばれた沿岸部からの埋立地である大阪南港の一部を構成し、大正区や港区に隣接しています。

咲洲の中央部は、住宅地として開発された「南港ポートタウン」が広がり、北部には[アジア太平洋トレードセンター]や大阪府咲洲庁舎といった大規模施設が集積する「コスモスクエア」地区があります。島の外縁部には、北埠頭、中埠頭、コンテナ埠頭などの港湾施設が整備され、北西端には海浜緑地や野鳥園も設けられています。

咲洲の開発は、バブル経済全盛期の1988年に決定された「テクノポート大阪」計画に基づいて進められました。この計画は、大阪市をテクノロジーの中心地として発展させることを目指し、咲洲はその主要拠点として数々の巨大施設の建設が計画されました。コスモスクエア地区は、この計画における人工島3地区の一つでした。

しかし、1990年代のバブル崩壊により、計画の多くは頓挫し、第三セクターによる巨額の投資と、箱物行政の象徴として批判を浴びることとなりました。結果として、大阪市の財政に大きな負担を残すことになりました。

2000年代に入ると、土地の定期借地権方式による分譲が導入され、コスモスクエア駅前を中心に大規模マンションが建設されるようになりました。商業施設の進出や大学キャンパスの設置なども進み、徐々に街としての機能が充実しつつあります。

なお、咲洲はかつて、日本万国博覧会の候補地にも選定されていた歴史も持っています。

咲洲の主要施設

咲洲には、多様な施設が集中しています。以下に、主な施設を分類して紹介します。

複合施設:

アジア太平洋トレードセンター (ATC)：国際貿易拠点として機能する大型複合施設です。
大阪国際見本市会場（インテックス大阪）：大規模な展示会やイベントを開催できる施設です。
大阪府咲洲庁舎（コスモタワー）：大阪府の行政機関が入る高層ビルです。
カリヨンプラザ：時計塔と広場を備えた憩いの空間です。

宿泊施設:

グランドプリンスホテル大阪ベイ
ホテルフクラシア大阪ベイ
さきしまコスモタワーホテル

教育施設:

森ノ宮医療大学
相愛大学
大阪府立水都国際高等学校
大阪金剛インターナショナル小学校・中学校・高等学校

公共施設:

大阪南港野鳥園
コスモスクエア海浜緑地（シーサイドコスモ）
大阪市南港中央野球場
大阪港国際フェリーターミナル
大阪南港コスモフェリーターミナル
法務総合研究所大阪支所
法務省大阪出入国在留管理局

その他:

ミズノ本社
NTTドコモ大阪南港ビル
桜島神社

交通アクセス

咲洲へのアクセスは、以下の公共交通機関が利用できます。

鉄道: Osaka Metro中央線、Osaka Metro南港ポートタウン線（ニュートラム）
バス: 大阪シティバス、南海バス、北港観光バス、神姫バス、リムジンバス（関西国際空港方面）
船舶: 大阪港国際フェリーターミナル、大阪南港コスモフェリーターミナル

また、阪神高速4号湾岸線、5号湾岸線、南港大橋、大阪港咲洲トンネル、夢咲トンネルなどの道路網も整備されています。

周辺地域

咲洲の周辺には、大阪港、堺泉北港などの港湾施設、舞洲、夢洲といった人工島があります。

咲洲の未来

かつての「テクノポート大阪」計画の失敗から学び、現在は、居住空間と商業施設の調和、そして環境との共生を目指した発展が続けられています。今後の更なる発展に期待が寄せられています。

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