SoftBank 830N

SoftBank 830N/841N：2009年春モデルのNEC製携帯電話

概要

SoftBank 830Nは、NECカシオモバイルコミュニケーションズ（当時NECカシオモバイルコミュニケーションズ）が製造し、ソフトバンクモバイルから2009年2月26日に発売された第3世代携帯電話(SoftBank 3G)です。当初は2月20日発売予定でしたが、発売が約1週間延期されました。本機は、薄型でコンパクトな直方体デザインが特徴のスライド型端末であり、2009年春モデルとして発表されました。後継機種として、カラーバリエーションなどを変更したSoftBank 841Nが2010年5月18日に発売されています。

デザインと機能

830Nは、無駄を省いたすっきりとした直方体形状で、筐体表面には突起物がありません。ディスプレイ下部には「＝SoftBank」のロゴがあり、その下には3つのタッチセンサーが配置されています。これにより、端末を閉じた状態でもテレビ視聴やカメラ撮影などの機能を利用できます。また、スライド時に画面がわずかに手前に傾く「アークスライド」機構を採用しており、使いやすさを向上させています。

機能面では、ソフトバンク向けNEC端末として初めてフルワイドVGA液晶、Felica、Bluetoothを搭載しました。さらに、下り最大7.2Mbpsの3Gハイスピード通信にも対応しています。ソフトウェア面ではモバイルウィジェットにも対応し、ユーザーは自身のニーズに合わせて端末をカスタマイズすることが可能です。

後継機種である841Nは、830Nと基本的な機能は同じですが、カラーバリエーションが変更されています。それ以外の大きな変更点はありません。

関連機種

830Nと関連性の高い機種としては、以下のものが挙げられます。

N-04A (NTTドコモ): 同時期にNECがNTTドコモ向けに発売した機種で、830Nと機能やデザインに共通点が多いです。
SoftBank 820N/821N: SoftBank 830Nより前に発売されたソフトバンクのNEC製携帯電話です。
SoftBank 930CA: 同時期にカシオ計算機（当時カシオ日立モバイルコミュニケーションズ）が製造したソフトバンクの携帯電話です。UIが830Nと同一であることが特徴です。

歴史

2009年1月29日: SoftBank 830Nがソフトバンクモバイルより発表
2009年2月26日: SoftBank 830N発売
2010年5月18日: SoftBank 841Nがソフトバンクモバイルより発表

まとめ

SoftBank 830N/841Nは、当時としては先進的な機能を備えた、NECが開発・製造した人気の高い携帯電話でした。薄型でコンパクトなデザイン、アークスライド機構、そしてフルワイドVGA液晶など、多くのユーザーに魅力的な端末であったと言えるでしょう。また、NTTドコモ向け機種との共通性や、同時期に発売された他社機種との比較からも、当時の携帯電話市場における技術動向や競争状況を垣間見ることができます。これらの機種は、日本の携帯電話の歴史において重要な位置を占める機種の一つと言えるでしょう。

もう一度検索