SoftBank 840N

SoftBank 840N：使いやすさと機能性を両立したNECカシオ製フィーチャーフォン

SoftBank 840Nは、NECカシオモバイルコミュニケーションズが製造し、ソフトバンクモバイルから2010年7月24日に発売された、SoftBank 3G対応のフィーチャーフォンです。同社のSoftBank 831Nの後継機種として位置づけられ、NTTドコモのN-06Bと多くの共通点を持つ一方で、国際ローミングには非対応という違いがあります。

人間工学に基づいたデザインと改良された操作性

840Nは、片手で持ちやすいラウンドフォルムを採用し、側面には指がかかりやすいようサイドラインが施されています。ボタンは立体的なデザインで、文字のコントラストを高めることで視認性を向上させています。カラーバリエーションには、グラデーションが美しいペタルピンクとネイビーが用意されました。

操作性においても、従来のNEC製ソフトバンク端末とは異なる設計が採用されています。それまでの機種では十字キーの左下のボタンでメインメニューを呼び出していましたが、840Nでは業界標準に準拠し、センターキーでメインメニューを呼び出すように変更されました。従来、センターキーで表示されていたデスクトップアイコンは、上ボタンを押すことで表示されるようになりました。左下のボタンはショートカットキーとして機能し、「いつものメール」機能により、あらかじめ登録した宛先と本文でメールを送信する操作を簡素化しています。

充実した絵文字機能と進化した入力方式

約4,500種類ものマイ絵文字をプリインストールしており、入力方法も改良されています。入力した文字に関連性の高いマイ絵文字やデコレーションピクチャを候補として表示する機能により、素早く絵文字を選択することが可能です。

緊急地震速報への対応

発売から約1年後となる2011年7月11日、ソフトウェアアップデートにより緊急地震速報に対応しました。これは、東日本大震災においてソフトバンクモバイルの緊急地震速報対応機種が少ないことが問題視されたことを受けての対応です。スマートフォンを除けば、2011年11月時点では、ソフトバンクモバイルの機種で緊急地震速報に対応しているのは、840Nと831Nの2機種のみでした。

ソフトバンクモバイル向けNECカシオ製端末の第一歩

SoftBank 840Nは、ソフトバンクモバイル向けNECカシオ製端末としては初の機種となります。使いやすさと機能性を両立させた設計、そして緊急地震速報への対応など、この機種は時代の変化に対応した、ソフトバンクモバイルの歴史において重要な位置を占める機種と言えるでしょう。その後の端末開発にも大きな影響を与えたと考えられます。

まとめ

SoftBank 840Nは、洗練されたデザインと使いやすいインターフェース、豊富な絵文字、そして緊急地震速報対応という、当時としては先進的な機能を備えたフィーチャーフォンでした。NECカシオモバイルコミュニケーションズとソフトバンクモバイルの協業による、モバイル通信の歴史における重要な1ページを飾る機種と言えるでしょう。

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