SoftBank X06HT

HTC Desire SoftBank X06HT 概要

HTC Desire SoftBank X06HTは、2010年4月27日に販売開始されたHTC社によるスマートフォンで、ソフトバンクモバイルが取り扱いました。Androidを基本とするこの端末は、W-CDMAおよびGSM通信方式に対応しており、特に日本国内向けに設計されています。販売時期の短さと予約による品薄の状態により注目を集めました。

発売の背景と歴史

このスマートフォンは、2009年の冬春モデル発表会にて存在が示唆され、2010年春に発売予定であると報じられました。しかしその時点では、具体的なスペックや製造元は公開されていませんでした。2010年3月28日には、ソフトバンクの30周年記念イベントでHTC Desireがこの機種であると発表され、正式な発売日が4月29日に決定しました。

発売からしばらくの間は好調な売れ行きを見せ、特に予約分があっという間に売り切れたことが話題となりました。このため、ソフトバンクは予約数が予想を上回ったため販売を終了したとコメントしていますが、もともと数量限定販売ではありませんでした。

その後、ディスプレイを有機EL（AMOLED）からTFT液晶に変更した後継モデル、X06HTIIが2010年10月2日に発売されました。この変更は、サムスンからの有機ELディスプレイ供給不足が原因とされています。

主な機能と Specs

X06HTは、3.7インチの静電式タッチパネルを搭載し、タブレットデザインであり、Android 2.1を搭載しています。この機種は、国内初のAndroid 2.1搭載端末として識別されます。また、HTC Senseを搭載し、Adobe Flash Lite 4もサポートしています。

ソフトバンクモバイルから発売されたAndroid機種の中でも特にユニークな存在で、普通の携帯電話用のUSIMカード（「銀SIM」など）を使用できる唯一の端末です。これ以降のAndroid端末は専門のUSIMカードが必要になりました。

アップデートと新機能

2010年9月24日には、X06HTとX06HTIIの両モデルに対してAndroid 2.2のアップデートが提供されることが発表され、その結果としてHD動画撮影が可能になりました。さらに、「SoftBankメール」というアプリが公開され、絵文字を使用したメールの送受信も可能になりましたが、これにはOSのバージョン2.2へのアップデートが必要です。

不具合と対応

しかし、2010年11月8日には、Android 2.2のアップデート後にAndroidマーケットのアイコンが表示されなくなる不具合が発覚しました。これに対しては、端末を工場出荷状態に戻すことで解消できることが分かりましたが、その際にデータが消失するためバックアップが必要でした。

さらに、2016年以降はWi-Fiスポットの認証においても問題が生じ、古いOSバージョンでは使用できなくなるという決定が下されました。継続して利用するためには、より新しい端末への買い替えが必要でした。

まとめ

HTC Desire SoftBank X06HTは、歴史的な意義を持つスマートフォンの一つであり、短期間で多くのユーザーの関心を集めました。その後、後継機が登場し、様々な機能の向上が図られましたが、この機種自身も多くの記憶に残る存在として評価されています。

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