Standard Generalized Markup Language

Standard Generalized Markup Language (SGML) について

Standard Generalized Markup Language（SGML）は、1980年代に開発された、マニュアルなどの文書を構造化するためのマークアップ言語です。

背景

1980年代、軍艦や軍用機などの高度化に伴い、マニュアルの量も増大し、改訂作業が大きな負担となっていました。この問題を解決するため、マニュアルを電子化し、容易に書き換えられるようにする技術が求められました。

さらに、電子文書は特定のソフトウェアに依存すると、ソフトウェアのバージョンアップや開発中止によってデータが読めなくなる可能性があります。そこで、特定のソフトウェアに依存せず、プレーンテキストをベースに、タグを使ってデータに意味を持たせるというアイデアが生まれました。

歴史

1979年、IBMのチャールズ・ゴールドファーブらが「GML」(Generalized Markup Language) を発表し、商業化されました。この成功を受け、ゴールドファーブはSGMLの開発に着手しました。

1986年にISOでSGMLの規格が公開されると、その規格はベストセラーとなりました。SGMLは、ISOの正式承認前から、アメリカ国防総省やECの公式出版事務局などで使用され始めました。IBMやCERN（欧州原子核研究機構）などでも広く採用され、日本では厚生省の新薬申請のデータ形式として採用されたことで、製薬会社やその関連企業でも導入が進みました。

特徴

SGMLは、「インスタンス」「DTD」「SGML宣言」の3つで構成されています。データ自体はプレーンテキストで記述され、レイアウト情報はスタイルシートで制御されます。スタイルシートは「スタイルシート言語」で記述され、DSSSL (Document Style Semantics and Specification Language) などの規格が定められました。

SGML文書を表示する際には、SGMLパーサと呼ばれるプログラムが構文解析とレイアウト処理を行います。

問題点と発展

SGMLは多機能であったため、実装が困難な部分がありました。また、タグ構造が複雑でパーサのアルゴリズムが難解になるという問題も抱えていました。このため、SGMLを簡略化し改良したXMLが開発され、普及しました。

SGMLはXML、そしてHTMLの基盤となり、現代のインターネットを支える重要な技術となりました。SGMLから派生した技術は、ウェブページの記述に使われるHTMLを産み出し、インターネットの発展に大きく貢献しました。

貢献

SGMLは、XMLやHTMLといった現代のマークアップ言語の源流であり、その技術は今日でも多くの場面で利用されています。特に、HTMLはウェブページの記述に不可欠であり、インターネットの普及に大きく貢献しました。SGMLは、現代のインターネット利用者が享受している技術の基礎となっていると言えるでしょう。

参考文献

『SGML入門』Martin Bryan 著、山崎俊一、福島誠　訳、アスキー出版局、1991年 ISBN 4-7561-0069-4

関連項目

Document Type Definition (DTD)
Document Style Semantics and Specification Language (DSSSL)
Extensible Markup Language (XML)
HyperText Markup Language (HTML)
マークアップ言語
SGML実体

外部リンク

The SGML History Niche
SGML: In memory of William W. Tunnicliffe
JIS X 4151-1992 文書記述言語SGML

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