Su-25UTG (航空機)

Su-25UTG（Су-25УТГ）

Su-25UTGは、Su-25の改良型として設計された艦上訓練機です。ロシア語で「Су-25УТГ」と表記され、工場名はT8-UTGです。この機体は、特に艦上運用に適した特性を持ち、着艦性能が強化されている点が特徴です。

開発経緯

Su-25UTGの開発は、1973年に始まったソ連の空母搭載機研究に端を発しています。当初はMiG-23KやP-42KBと共に、Su-25の艦上攻撃機型であるSu-25Kが研究されました。しかし、カタパルト式空母の建造が見送られ、スキージャンプ式への移行が決まったことで、Su-25Kの開発は中止となりました。この過程で、発着訓練機としてのSu-25UBK設計案が簡略化され、Su-25UTGとして実用化されたのです。

1984年に開発が開始され、1988年には最初の試作機T8-UTG1がホワイトウィークリッジにて製造されました。その後、同年10月にはウクライナのサーキ飛行場で初飛行を行い、1989年の11月には「トビリシ」に初着艦しました。

機体の特性

Su-25UTGは、着艦時の衝撃に耐えるように構造が強化されています。また、海水による腐食に備えるため、胴体の中央部にはアルミニウム合金が使用され、不要な燃料タンクの防弾処理が省かれています。さらに、フラップは以前よりも大きく可動するタイプに改良されています。尾部には空母に寄与するアレスティング・フックが装備されています。

この一方で、Su-25UTGは攻撃機能を持つ初期の型であるSu-25UBに基づいているものの、武装関連機材は装備されておらず、4つのパイロンには増槽が取り付けられます。アビオニクスの面では、地上部隊との通信用無線機が取り外され、着艦誘導装置が装備されています。

現在の運用状況

製造から20年以上が経過している現在でも、Su-25UTGは一部の部隊で運用されています。ロシアでは、クズネツォフ艦上戦闘機航空連隊に所属し、10機が配備されています。その内訳は、セヴェロモルスク-3基地に8機、エイスクの第859飛行戦闘訓練センターに2機が配置されており、現役状態を維持しています。特に、これらの機体は寿命延長改修が施されており、運用寿命をさらに8年延長することが可能とされています。

一方、ウクライナではソ連時代に配備された5機のSu-25UTGが継承されましたが、いくつかの機体は交換や売却が行われ、現存する機体は減少しています。

諸元

• - 乗員: 2名
• - 全長: 15.53m
• - 全高: 5.2m
• - 翼幅: 14.36m
• - 空虚重量: 9,700kg
• - 最大離陸重量: 17,600kg
• - 動力: ソユーズ R-95Sh ターボジェットエンジン ×2
• - 燃料搭載量: 2,850kg

性能

• - 最大速度: 1,000km/h
• - 巡航速度: 750km/h
• - 実用上昇限度: 7,000m
• - 上昇率: 60m/s

Su-25UTGは、そのユニークな設計と艦上運用向けの特性により、特殊な役割を果たす機体としての地位を確立しています。

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