Summer Days

Summer Days（サマーデイズ）

『Summer Days』は、2006年 6月23日にオーバーフローより発売されたアダルトゲームです。前作『School Days』の本編開始前の夏を舞台としたスピンオフ作品で、略称は『サマイズ』などと呼ばれています。

製品概要

本作は前作にあった陰惨な描写を抑え、淡い恋心から始まるひと夏の物語をテンポ良く描いています。また、今まで公開されていなかった作中の人間関係が明らかになり、オーバーフローの他作品との関連性も示唆されました。エンディング数は前作に比べて少ないですが、これはタイトルが存在しないエンディングが多数存在するためです。本作からディスクレスプレイが可能になりました。

本編以外には、ミニゲーム『アホ毛バトル』が収録されています。これは、ちびキャラ化した世界を操作して、同じくちびキャラ化した言葉を倒す内容で、『School Days』のバッドエンドの一つ「鮮血の結末」のパロディとなっています。初回版には特典として、『School Days』のプレイ画面と共に、出演声優のコメントを収録したDVDが付属していました。

ストーリー

主人公の伊藤誠に想いを寄せる清浦刹那は、おたふく風邪で寝込んでしまった親友の西園寺世界の代わりに、彼女の母親が店長を務めるファミレス「ラディッシュ」でアルバイトを始めます。慣れない仕事に疲れ果てた刹那は、誠の家が近いかもしれないという淡い期待を抱きつつ、夕涼みがてら海岸通りを歩いていると、妹を連れた誠と出会います。

スタッフ・キャスト

企画、脚本、製作総指揮：メイザーズぬまきち
プロデューサー：ラジカル☆うえき
ディレクター：竹光土吏流
キャラクターデザイン、総作画監督：ごとうじゅんじ
プログラム：向日葵正

声の出演

伊藤誠：平井達矢
清浦刹那：山本華
桂言葉：遠野そよぎ
黒田光：一色ヒカル
西園寺世界：柚木かなめ
山県愛：桜川未央
西園寺踊子：神月あおい
加藤可憐：GUNTA
桂心：神月あおい
加藤乙女：松永雪希、内野ぽち（SHINY版のみ）
二条一葉：神月あおい
二条二葉：草月弥生
清浦舞：夏海萌
橋本織葉：双海葉月
村山野杏：原由菓、きしだあいら（SHINY版のみ）
止（いたる）：南波華月

主題歌

オープニングテーマ：「SummerDays」
作詞・作曲・歌：YURIA / 編曲：鈴木マサキ
エンディングテーマ：「タンポポの綿帽子」
作詞・作曲・歌：yozuca / 編曲：鈴木マサキ
グランドエンディングテーマ：「海から始まる物語」
作詞・作曲・歌：栗林みな実 / 編曲：澤野広之
SHINY版オープニングテーマ：「Shiny Shower」
作詞・歌：いとうかなこ / 作曲・編曲：磯江俊道
SHINY版エンディングテーマ：「Mighty Heart」
作詞：すーぱーそに子 / 作曲：村上正芳 / 編曲：第一宇宙速度&村上正芳 / 歌：第一宇宙速度

バグとその影響

前作に続き、本作も発売当初は大量のバグが見つかり、度重なる修正パッチのリリースを余儀なくされました。原因は、製品出荷時にマスターデータと古いデータを誤って混在させてしまったこと、最終出荷確認時の確認ミスと発表されています。発売日前日には最初の修正パッチが配布されましたが、その容量は2.3GBという前例のないものでした。これによりサーバーがダウンするという事態が発生したため、オーバーフローは公式サイトで謝罪文を掲載し、修正版の配布やBitTorrentを使用した配布への変更などの対策を講じました。しかし、修正パッチの公開は続き、自主回収を行うことにもなりました。その後、アンケートカードを送付したユーザーのみを対象とした修正版DVD-ROMが発送されました。2011年現在での最新版は、2006年 10月30日に配布されたVer2.01となっています。

本作の制作に際しては、メインスタッフの結婚退職や病欠が発生したことから、ある宗教団体の信者である兄弟がプログラムとグラフィックを担当することになり、発売まで指揮監督が不可能になったという経緯がありました。彼らは仕事の進捗報告を偽ったまま宗教団体での活動に注力していたため、大きなバグがある状態で発売されたとされています。

DVD-PG版

2008年 4月11日にアイチェリーより発売されたDVD-PG版は、DVD4枚組で『Summer Days ビジュアル・ガイドブック』の表紙がパッケージに用いられています。PC版から一部機能が削除され、セーブ機能の代わりに各話終了時に表示されるパスワードで進行状況を保存する方式になっています。

前作のDVD-PG版はPC版の内容をほぼ忠実に再現していましたが、本作のDVD-PG版では一部のルートやエンディングが削除されています。削除されたルートのセックスシーンは、『EXTRA SCENARIO』として別収録されています。

UMD-PG版

2010年 9月24日にPalaceより発売されたUMD-PG版は、UMD3枚組でPCリニューアル版と同じパッケージ画が使用されています。話が進むたびにディスクを入れ替える必要があり、選択肢の一部が減少しています。字幕のON/OFFができないため、進行状況によっては不自然なフォントが存在しますが、DVD-PG版で削除されたルートもプレイ可能です。

SHINY版

2012年 4月27日には、リメイク版である『SHINY DAYS』（シャイニーデイズ）が発売されました。足利いのりを新ヒロインに据えてシナリオが書き直されたほか、ゲームエンジンや背景画が最新のものに換装され、一部の登場人物が原画から描き直され、イベントやエンディングが追加されています。

当初は『SHINY SUMMER DAYS』というタイトルで発売日が2011年11月25日と告知されていましたが、延期されました。また、加藤乙女と村山野杏の声優が変更になり、小渕みなみが『野球拳 Strip Battle Days』に登場できなくなったことが発表されました。ラディッシュの制服は、PC版のものと新たにデザインされた猫耳系のものから選択できます。SHINY版の開発に伴い、PC版は2011年8月26日をもってロットアップとなりました。

野球拳 Strip Battle Days

SHINY版に収録されたミニゲームです。2011年のエイプリルフール企画として公開された『野球拳 STRIP ROCK PAPER SCISSORS』のリメイク版で、小泉夏美と森来実をヒロインに、大隈二喜をラスボスとした短編アドベンチャーゲームです。戦闘部分は野球拳で、主人公が「日々のはざま」という空間に迷い込んだ夏美か来実のどちらかと同行し、もう一人を倒した後、二喜を倒せばクリアとなります。フルボイス化されており、3人にはセックスシーンが追加されています。また、人気投票によって選ばれた追加キャラクターも登場しました。2014年10月31日には追加要素を含んだ製品版が発売されました。

小渕みなみの登場中止

小渕みなみは当初、『野球拳 STRIP ROCK PAPER SCISSORS』のヒロインとして登場していましたが、声優の都合により『野球拳 Strip Battle Days』への登場が中止となりました。他のキャラクターとは異なり代役を立てるのではなく、登場自体が中止になったことについて、メイザーズぬまきちは「NHKとか子ども番組とかに出ている期間は出演できない」といった理由を挙げています。

その後、アキバ☆ソフマップ1号店でみなみのCGを流用したメッセージペーパーが配布されましたが、製品版では声は収録されなかったものの、登場は叶いました。

Strip Battle Days 2

2016年4月28日に発売された『野球拳 Strip Battle Days』の続編です。主人公は伊藤誠で、ヒロインは西園寺世界、桂言葉、大隈二喜、花山院恭美です。アニメ演出が導入され、新登場人物として伊藤誠の母、伊藤萌子が登場します。発売直後に不適切な画像が発見されたため一時販売停止となりましたが、修正後に再出荷されました。2020年9月25日発売の「SCHOOLDAYS SERIES COMPLETE BOX」収録版は、デザインが刷新され、新要素が追加されています。