アルバム『Summer Delicacy』の詳細
『Summer Delicacy』(サマー・デリカシー)は、歌手
河合奈保子の8番目のオリジナル・
アルバムで、
1984年6月1日に
日本コロムビアからリリースされました。この
アルバムは、彼女のデビュー5周年を祝い、3ヶ月ごとにリリースされる作品群の第一弾として位置づけられています。LPの帯には「奈保子5周年・メモリアル
アルバム=VOL・1」との表記があり、その意義を強調しています。この取り組みは、
1985年3月に発売された『
STARDUST GARDEN -千・年・庭・園-』まで続き、計4作品がリリースされました。
本作の特色として、収録されている
シングル曲が他の
アルバムに比べて多く、本作だけが
シングル曲を含んでいる点が挙げられます。ジャケット写真は、河合が特に愛する
オーストラリアで撮影されたもので、彼女の魅力を引き立てています。
音楽的背景
アルバムのSide Aは、全曲が
八神純子による作曲です。
河合奈保子は以前から彼女の音楽に対するスタッフの期待があり、特に広い音域と高い歌唱力が求められる八神の楽曲を歌う機会を待ち望まれていました。ようやく実現したこの
アルバムでは、彼女の才能を存分に発揮しています。一方、Side Bは
来生たかおの手によって完全に構成されており、河合が彼のコンサートに何度か足を運んだ経験からその歌の世界に魅了された結果、望んで起用されたものです。
作詞はSide Aが
八神純子、
売野雅勇、
三浦徳子、Side Bが
来生えつこによって手掛けられています。また、編曲についても、1、2、5曲目は
鷺巣詩郎が担当し、他の曲は
大村雅朗が手掛けています。
本作と同時に発売された17枚目の
シングル「コントロール」は
アルバムには収録されていませんが、
八神純子のカバーであるB面曲「夏の日の恋」や、前年末にリリースされた15枚目の
シングル「疑問符」が収められています。また、
アルバムのA面1曲目「太陽の下のストレンジャー」では、八神の夫であるジョン・スタンレーが間奏でラップを披露するなど、特有の魅力が表現されています。B面5曲目の「涼しい影」は
来生たかおの
アルバムからのカバーで、彼の音楽性を感じ取ることもできます。
発売当初は、アナログ
レコードやカセットテープが「COLUMBIA」レーベルから、CDは「DENON」レーベルからリリースされましたが、1989年以降の再発版ではCDも「COLUMBIA」レーベルに変更されています。
再発とマスタリング
2007年12月19日には、
河合奈保子の作品を集約したオリジナル・
アルバム・ボックス『NAOKO PREMIUM』のDISC 8に収載され、その人気を再認識させました。さらに2021年
9月29日には、レコーディングエンジニア
内沼映二の監修のもとマスタリングされ、初のSACDハイブリッド盤として再発売されました。これにより、より高品質な音で楽しむことが可能となりました。
この
アルバム『Summer Delicacy』は、
河合奈保子の音楽人生の中で重要な一枚であり、彼女の成長を感じることができる特別な作品となっています。