Sun-4

Sun-4 シリーズ：サン・マイクロシステムズのUNIXワークステーション

Sun-4は、サン・マイクロシステムズが1987年にリリースしたUNIXワークステーションとサーバのシリーズです。初期のSun-3シリーズの後継として登場し、大きな転換点となったのは、従来の68Kファミリープロセッサから、サンが独自に開発したSPARC V7 RISCアーキテクチャに基づくマイクロプロセッサを採用したことです。

Sun-4シリーズの発展

1989年、サンはマーケティング戦略の一環として、新しいモデルにSPARCstationとSPARCserverのブランドを導入し、「Sun-4」の名称は表舞台から姿を消しました。しかし、初期のSPARCstation/serverモデルには、Sun-4シリーズのモデル番号も割り当てられていました。例えば、SPARCstation 1はSun 4/60としても知られています。この慣例は1991年のSPARCserver 600MPシリーズの登場によって徐々に廃止されました。

しかし、Sun-4という用語は、全てのSPARCベースのサン製システムの基本的なハードウェアアーキテクチャを指す技術的な用語として、その後も使用され続けました。Sun 4/110, 4/150, 4/260, 4/280といったモデルは、Sun 4300 CPUボードにアップグレードされると、それぞれ4/310, 4/350, 4/360, 4/380と呼ばれるようになりました。

Sun-4アーキテクチャの派生

Sun-4アーキテクチャは、VMEバスベースのアーキテクチャを基本とし、4/100, 4/200, SPARCserver 300, SPARCserver 400などに採用されました。SunOS 3.2以降とSolaris 2.1から2.4でサポートされました。また、OpenBSDとNetBSDもSun-4アーキテクチャ上で動作しました。

その後、Sun-4アーキテクチャは様々な派生モデルを生み出し、サンや他のベンダーによって製造された多くのコンピュータシステムで採用されました。主な派生モデルは以下の通りです。

Sun-4c: デスクトップワークステーションおよびローエンドサーバ向けの派生モデルです。VMEバスの代わりに32ビットの拡張バスであるSBusを採用し、新しいMMU設計を導入しました。Sun-4cの最初のモデルであるSPARCstation 1のコードネーム「Campus」に由来すると推定されています。
Sun-4e: VME組み込みコントローラであるSPARCengine 1（Sun 4/E）を搭載した、Sun-4c/VMEのハイブリッドアーキテクチャです。このボードは当初フォース・コンピュータズによって開発され、後にサンがライセンスを取得しました。SunOS 4.0.3eと4.1e、Solaris 2.1から2.4でサポートされました。
Sun-4m: マルチプロセッシングに対応したSun-4の派生モデルで、SPARCserver 600MPシリーズに導入されたMBusプロセッサモジュールバスに基づいていました。その後、Sun-4mアーキテクチャは、MBusを使用しない単一プロセッサシステム（SPARCstation 5など）にも拡大されました。SunOS 4.1.2以降とSolaris 2.1から9でサポートされましたが、SPARCserver 600MPのサポートはSolaris 2.5.1で終了しました。
Sun-4d: ハイエンドマルチプロセッサアーキテクチャで、最大20個のプロセッサを搭載可能なXDBbusプロセッサインターコネクトを基盤としています。サンが製造した唯一のSun-4dシステムは、SPARCserver 1000とSPARCcenter 2000シリーズです。Cray CS6400もSun-4d (sun4d6) マシンとして扱われましたが、カスタムバージョンのSolarisが必要でした。Solaris 2.2から8でサポートされました。
Sun-4u: 64ビットUltraSPARC (SPARC V9) プロセッサアーキテクチャとUPAプロセッサインターコネクションを導入した、Sun Ultraシリーズで初めて採用された派生モデルです。Solaris 2.5以降でサポートされましたが、UltraSPARC IのサポートはSolaris 9で終了しました。
Sun-4u1: Enterprise 10000 (Starfire) 64ウェイマルチプロセッササーバアーキテクチャを区別するために用いられることがあります。StarfireはSolaris 2.5.1以降でサポートされました。
Sun-4v: プロセッサ仮想化ハイパーバイザを含むSun-4uの派生モデルで、UltraSPARC T1（Niagara）マルチコアプロセッサで導入されました。Solaris 10 3/05 HW2以降でサポートされています。

関連事項

MB86900
SPARC

外部リンク

The Sun Hardware Reference, Part 1
* Sun Field Engineer Handbook, 20th edition

もう一度検索