SuperCalc

SuperCalc（スーパーカルク）は、1980年にSorcim（ソーシム）社によってリリースされた表計算ソフトウェアです。当時のビジネスシーンにおいて、その革新的な機能は大きな注目を集めました。

特に、SuperCalcが歴史に名を刻んだのは、初期の表計算ソフトが抱えていた大きな課題の一つ、循環参照の問題を解決した点にあります。循環参照とは、複数のセルが互いの計算結果を参照し合う状態を指し、従来のソフトウェアでは計算結果が収束しないという問題を抱えていました。SuperCalcはこの問題に対し、先進的なアルゴリズムを導入することで、初めて実用レベルでの循環参照解決を可能にしたソフトウェアの一つとなりました。

この循環参照解決機能は、後のMicrosoft Excelなどの表計算ソフトウェアにも採用されることになりますが、SuperCalcがその先駆けであったという点は特筆に値します。Excelがこの機能を実装する10年以上も前に、SuperCalcは既にその技術を確立していたのです。

また、SuperCalcは、CP/M|CP_Mオペレーティングシステムで動作するソフトウェアパッケージの一部として、WordStarと共にOsborne 1ポータブルコンピュータにバンドルされていたことでも知られています。当時、ポータブルコンピュータはまだ珍しい存在であり、SuperCalcはその普及に一役買いました。

その後、SuperCalcは、Apple IIファミリーやMS-DOSが動作するPC/AT互換機|PC_AT互換機にも移植され、多くのユーザーに利用されるようになりました。特に、MS-DOS版は、当時のビジネスシーンにおいて、事実上の標準表計算ソフトとして広く利用されました。

1980年代中盤には、Sorcim社がコンピュータ・アソシエイツ（CA）社に買収された後、SuperCalcはMicrosoft Windowsにも移植され、CA-SuperCalcとしてリリースされました。このWindows版は、それまでのMS-DOS版から大幅に機能が拡張され、より洗練されたインターフェースを備えるようになりました。

SuperCalcは、その革新的な機能と使いやすさから、初期の表計算ソフトウェアの代表的な存在として、今日の表計算ソフトウェアの発展に大きな影響を与えました。循環参照問題の解決や、様々なプラットフォームへの移植など、数々の偉業を成し遂げたSuperCalcの功績は、現代においても高く評価されています。

もう一度検索