SUPREME

アルバム『SUPREME』の概要

松田聖子が1986年に発表したオリジナルアルバム『SUPREME』は、彼女の13作目にあたります。このアルバムは、松田が妊娠・出産のため活動を休止している間にリリースされたもので、彼女自身の熱い思いを込めた作品となっています。アルバムのタイトルの発音については「スープリーム」と「スプリーム」の両説が存在し、公式な場では松田自身が「スープリーム」と発音している姿も見られました。

背景と制作

本作は、シングル曲が収録されていないにもかかわらず、オリコン史上最大のセールスを記録しました。このような状況にあったにもかかわらず、多くのファンから支持されることとなりました。アルバムには、南佳孝、玉置浩二、来生たかお、大沢誉志幸など、歌手としても名の知られた男性アーティストが多く参加しており、新たな作曲家も多く貢献しています。また、松田自身が書き下ろした楽曲も含まれている点が特筆されます。

全体のプロデュースを手掛けたのは、作詞家の松本隆です。このアルバムが発売されたのは松田の結婚後であり、ファン離れが懸念されていた時期でしたが、アルバムは多くの人々に感動を与えました。

代表曲とパフォーマンス

アルバムの中で特に注目されるのは「瑠璃色の地球」であり、この曲はミュージックビデオも制作されており、アルバムのプロモーションの一環として利用されました。プロデューサーの若松宗雄によると、松田が家族との時間を大切にしていたため、この楽曲はシングルとしてカットされることがなかったと言います。

1986年末には『第28回日本レコード大賞』で生のパフォーマンスを行い、「時間旅行」、「ローラー・スケートをはいた猫」、「瑠璃色の地球」をメドレー形式で披露しました。この際、松田が感情に流されて涙を流したシーンは、多くのファンに強い印象を与えました。

昨今の評価

『SUPREME』は、リリース当時の日本の音楽市場の中で唯一ミリオンセラーを達成したアルバムであり、オリコンでの売上は69.9万枚に達しました。後に、収録曲を編曲した三枝成彰によってイージーリスニングアルバム『SEIKO MATSUDA SUPREME SOUND PORTRAIT』が発売され、同年には「瑠璃色の地球」のプロモーション用シングルも制作されています。

特に松田聖子のファンを公言する松たか子は、本アルバムを自身の一番好きな作品として挙げるなど、現在でも高く評価されています。

収録曲とその他の参与者

アルバムには、「時間旅行」、「ローラー・スケートをはいた猫」、「上海倶楽部」などの楽曲が収められており、各楽曲のアレンジや演奏には、実力派のミュージシャンたちが参加しています。例えば、コーラスにはNOKKOが、また様々な楽器の演奏は多彩なメンバーによって行われています。楽曲の詳細を見てみると、様々なジャンルを取り入れた松田の幅広い音楽性がうかがえます。

このように、出産や結婚という私生活の変化の中で生まれた『SUPREME』は、松田聖子のキャリアにおいて重要かつ特異な作品として、多くの人々に愛され続けています。

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