Surf Break from Sea Breeze

Surf Break from Sea Breeze 〜KAMASAMI KONG D.J. Special：幻のコンピレーションアルバム

1982年、角松敏生は、自身のファーストアルバム『SEA BREEZE』収録曲をベースとした、ユニークなコンピレーションアルバム『Surf Break from Sea Breeze 〜KAMASAMI KONG D.J. Special』をリリースしました。このアルバムは、角松敏生の楽曲と、当時人気を博していたDJ、KAMASAMI KONGによるDJパートを組み合わせた、独特の構成が特徴です。

しかしながら、このアルバムはカセットテープでのみ発売され、角松敏生の公式サイトやレコード会社のディスコグラフィーには掲載されていません。そのため、多くのファンにとって、その存在すら知られていない幻の作品と言えるでしょう。

さらに、このアルバムは、LP盤の見本盤（非売品）も存在したことが確認されています。現在では、オークションサイトなどで、カセットテープやLP盤の見本盤が出品されることがあり、コレクターの間では大変貴重なアイテムとなっています。CD化は一度もされておらず、その希少性から、入手困難なアルバムとして知られています。

アルバムの背景と歴史

このアルバムが特に注目されるのは、その発売形態と、その後の展開にあります。カセットテープのみの発売という限定的な形態は、当時としては異例と言えるでしょう。さらに、1986年にはAIRレーベルからカセットテープで再発されています。

このアルバムは、同じAIRレーベルで1980年に発売された山下達郎の『COME ALONG』と同様の企画内容であり、角松敏生が当時所属していたトライアングル・プロダクションとしては初の試みでした。この企画は、その後、1984年に発売された杉山清貴&オメガトライブの『カマサミ・コング DJスペシャル』へと繋がる重要なステップとなったと言えます。

音楽性と参加ミュージシャン

『Surf Break from Sea Breeze 〜KAMASAMI KONG D.J. Special』に収録されている楽曲は、全て角松敏生が作詞・作曲を手掛けています。アレンジは、志熊研三、清水信之、後藤次利といった、日本の音楽シーンを代表するミュージシャンたちが担当しています。

演奏陣も豪華で、ドラムスには村上秀一、林立夫、上原裕といった実力派ドラマーが参加。ベースには後藤次利、富倉安生、MIKE DAN、田中章弘など、日本の音楽史に名を刻むベーシストが名を連ねています。キーボードには清水信之、渋井ヒロシ、富樫春生、佐藤準、井上鑑といったそうそうたるメンバーが参加しています。ギターも鈴木茂、松原正樹、今剛、青山徹、吉川忠英、原茂と、錚々たるメンバーが名を連ねています。

パーカッション、シンセサイザープログラミング、サックス、トランペット、トロンボーン、ストリングス、コーラスと、多様な楽器とボーカルが参加しており、角松敏生の音楽的多様性を示す作品となっています。

まとめ

『Surf Break from Sea Breeze 〜KAMASAMI KONG D.J. Special』は、その希少性と音楽的な価値から、角松敏生のディスコグラフィにおいて重要な位置を占める作品と言えるでしょう。カセットテープという媒体、そして、DJパートを取り入れた構成、豪華なミュージシャン陣の参加など、このアルバムは、音楽史におけるユニークな存在感を示しています。現在では入手困難なレアアイテムですが、もし機会があれば、その貴重な音楽体験に触れてみてはいかがでしょうか。

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