Symbol

Symbolフォントは、PostScriptの標準フォントの一つとして、ギリシャ文字と数学記号を収録したパイフォントです。1984年にPostScript Level 1の標準フォントセット（Courier、Helvetica、Timesを含む）の一つとして規定され、翌1985年にはAppleのLaserWriterプリンタで初めて実装されました。このフォントは、その後のパソコン環境において重要な役割を果たすことになります。

普及とデファクトスタンダード化

マイクロソフトは、Microsoft Windows 3.xでシステムフォントとしてSymbolフォントを搭載しました。これにより、Symbolフォントは広く利用されるようになり、デファクトスタンダードとしての地位を確立しました。Unicode策定時、ギリシャ文字と数学記号を表現する方法としてSymbolが広く普及していたため、UnicodeはSymbolに含まれる文字のうち、16進数で0x60の文字を除く全ての文字を取り込みました。この事実は、Symbolフォントが現代の文字コード体系に与えた影響の大きさを物語っています。

Symbolフォントの詳細

Symbolフォントは、その内部で特定のコードポイントに文字や記号を割り当てています。例えば、16進'>[1]]6進数の60（0x60）は、根号の上部にある線を伸ばすための記号として使用されます。この記号は、Unicodeでは外字としてU+F8E5に設定されており、他の文字と組み合わせて数式を表現するために使用されます。具体的には、「√ 60] 6進'>[3]]1] 6進'>[6]]0] 6進'>[3]]2] 6進'>[6]]0] 6進'>[3]]3]」と入力することで「√[[123」のように表現できます。

UnicodeにもU+0305に合成用オーバーラインがありますが、Symbolフォントの0x60の記号とは異なり、直前の文字にオーバーラインが付加されます。

また、同じ文字でも異なる書体で表現される場合があります。例えば、16進数のD2、D3、D4はセリフフォントで、E2、E3、E4はサンセリフフォントで表現されます。これらの3組の文字は、Unicodeでは区別されません。このように、Symbolフォントはフォントのバリエーションを内部で持ち合わせています。

Apple製品では、16進数のF0（0xF0）にアップルのロゴマークが定義されています。これは、Symbolフォントが特定の環境で独自の拡張を施されていることを示す例です。

まとめ

Symbolフォントは、PostScriptから始まった数学記号やギリシャ文字を扱うためのフォントですが、その影響はOSレベルにまで及び、Unicodeにまで影響を与えたデファクトスタンダードと言えます。Unicodeに取り込まれなかった記号や、書体による差異など、フォントの歴史を考える上で非常に興味深い要素を含んでいます。

出典

Adobe Symbol Encoding to Unicode: AdobeによるSYMBOLフォントとUnicodeのマッピングに関する情報です。
SYMBOL.TXT: AppleによるSYMBOLフォントのマッピングに関する情報です。

脚注

* ここでは、Symbolフォントに関する詳細な技術情報の一部を解説しました。より深く理解するには、関連資料を参照してください。

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