T-28 (航空機)

T-28トロージャンについて

T-28トロージャンは、アメリカのノースアメリカン社が製造した中間練習機で、主に1950年代から1970年代初頭にかけて使用されました。名前の由来はトロイア人にちなんでおり、その特異な形状は多くのパイロットに親しまれました。この機体は、空軍だけでなく、海軍航空隊でも活用され、フロリダ州ミルトンのWhiting Field基地での初等訓練に貢献しました。

開発経緯

T-28は、旧来のT-6 テキサンを代替する目的で設計されました。1949年9月24日には初飛行を果たし、そのパフォーマンスは第二次世界大戦の戦闘機にも匹敵するものでした。1950年から1957年の間に、合計1,948機が製造され、訓練機としての役割を果たしました。強力なエンジンにより、初心者から熟練パイロットまで幅広い層のパイロットに対応できました。

運用実績

T-28トロージャンは、アメリカ国内だけでなく、海外でも活躍しました。フランスはアルジェリア独立戦争において、再組み立てたT-28フェネックを使用し、近接航空支援や哨戒任務を実施しました。さらに、ベトナム戦争では南ベトナムに供与され、空軍パイロットの養成に用いられるだけでなく、多くの攻撃ミッションにも投入されました。

また、フィリピンでは1980年代に新人民軍に対する空爆などにも加わり、その運用は多岐にわたりました。日本では、1956年にT-28Bが導入され、新ジェット練習機の開発に際して練習機としての性能検証が行われました。残念ながら、1963年にはエンジントラブルによりハードランディングを経験し、その後修復されず退役しましたが、現在は浜松広報館で展示されています。

バリエーション

T-28にはいくつかのバリエーションが存在します。試作機のXT-28に始まり、米空軍向けのT-28A、海軍向けのT-28B、そして着艦訓練用のフックを装備したT-28Cなど、各国のニーズに応じて改良されました。また、T-28Dノマドという改良モデルも存在し、近接航空支援機としての性能を向上させました。これにより、COIN機としての特性も持つことが承認されました。

設計スペック

T-28Dの仕様は以下の通りです:

• - 乗員: 2名
• - 全長: 10.06 m
• - 全幅: 12.22 m
• - 全高: 3.86 m
• - 翼面積: 24.9 m2
• - 空虚重量: 2,914 kg
• - 最大離陸重量: 3,856 kg
• - エンジン: ライトR-1820-86空冷星型エンジン 1,425馬力（1,063 kW）×1基
• - 最高速度: 552 km/h
• - 最高高度: 10,820 m
• - 航続距離: 1,710km
• - 兵装: 翼下に540kgの爆弾やロケット弾を搭載可能

まとめ

T-28トロージャンは、その高い性能と多用途性により多くの国で広く利用され、さまざまな歴史的なミッションに貢献しました。今でもその名は軍用機の歴史に名を刻んでおり、展示機としても多くの人々にその存在を知られています。

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