T-37 (航空機)

T-37の概要

T-37は、アメリカ空軍の初等ジェット練習機として1950年代にセスナ社によって開発された。愛称は「トゥウィート」または「トゥウィーティ・バード」として知られ、その名は「さえずり」や「呟き」を意味する。この機体は、米空軍が1960年代の全ジェット訓練に向けて採用した機体である。

開発の経緯

1952年、アメリカ空軍は新型の初等練習機を求め、航空機メーカーに提案を求めた。この際、セスナ社はモデル318という案を提出し、1952年12月にT-37として採用された。1953年には試作機であるXT-37の製造契約が結ばれ、初飛行は1954年の10月12日に行われた。その後、1956年から部隊への配備が始まり、1961年4月には、既存の初等練習機T-34メンターに替わり、全ジェット訓練コースがT-37を基にスタートした。つまり、T-37は新しい訓練方法の礎となった。

機体の特徴

T-37は双発のジェットエンジンを搭載しており、主翼の基部に位置している。機体形状は直線翼で、操縦席の配置は前後のタンデムスタイルではなく、左右に座席が並ぶ並列複座とされている。この配置により、広い視界を確保した大きなキャノピーが特徴的である。コックピットは簡素化されており、与圧構造ではないため、場合によっては酸素マスクを必要とする。しかし、アナログ計器を使用する従来のスタイルのコックピットが維持されており、訓練機としての機能性を損なわなかった。この機体は高度な曲技飛行も可能であり、一部の曲技飛行隊でも採用されている。

様々な型式と派生

T-37にはいくつかの派生型が存在しており、主に以下のようなモデルがある：

• - XT-37：試作型で、初飛行は1954年。
• - T-37A：初期の量産型として534機が製造された。
• - T-37B：エンジンが強化され、航法装置が改善された型。449機が生産された。
• - T-37C：主翼下にハードポイントを追加し、軽武装が可能な機体として269機が製造された。
• - A-37ドラゴンフライ：T-37Cから発展したCOIN機として知られている。

海外の採用国

T-37は様々な国で採用され、多くの輸出事例がある。特に、韓国、タイ、ミャンマー、カンボジア、バングラデシュ、パキスタン、ヨルダン、トルコ、グラエシア、ポルトガル、パラグアイ、ブラジル、チリ、エクアドル、コロンビア、ペルー、ベトナム共和国など、数多くの国がT-37を利用していた。

スペック

以下はT-37Bの技術的なスペックである：

• - 全長：8.92 m
• - 全幅：10.3 m
• - 全高：2.8 m
• - 翼面積：17.09 m²
• - 空虚重量：1,755 kg
• - 最大離陸重量：2,993 kg
• - エンジン：2 × テレダイン・コンチネンタル J69-T-25 ターボジェットエンジン
• - 最高速度：684 km/h
• - 航続距離：1,500 km
• - 実用上昇限度：11,950 m

文化的影響

T-37は映画『エアポート'75』に登場し、航空機の衝突場面でその存在感を示した。また、トルコ空軍の初等ジェット練習機として『スカイ・イーグル』にも取り上げられている。このように、T-37は映画やメディアを通じて一般の認知度を高めている。T-37はその多機能性と性能によって、歴史的に重要な役割を果たした練習機であると言える。

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