エアポート'75

映画『エアポート'75』の詳細

『エアポート'75』は、1974年に公開された航空パニック映画で、主役のチャールトン・ヘストンが主演を務め、ジャック・スマイトが監督を担当しました。この作品は、パニック映画全盛の1970年代において重要な位置を占める作品として知られています。特に、本作は、1970年に公開された『大空港』の続編として位置づけられていますが、登場人物や舞台が大きく異なるため、独自の作品として評価されています。

物語の舞台は、コロンビア航空409便のボーイング747。この航空機はワシントンD.C.のダレス国際空港を離陸し、ロサンゼルスに向かう予定でした。しかし、濃霧の影響でソルトレイクシティに向けての着陸態勢に入る最中、心臓発作を起こした自家用機が事故を引き起こし、409便は操縦士を失うという危機的な状況に直面します。痛ましい事故によって、機長スティシーは重傷を負い、彼の部下である副操縦士が機外に放り出され、航空機関士は即死。生き残った主任客室乗務員ナンシーは、搭乗している乗客120人を救うために機体を操縦する責任を負います。

危機的状況の中で、ナンシーの恋人である元747機の教官マードック（チャールトン・ヘストン）は、副社長のパトローニ（ジョージ・ケネディ）と共に、ナンシーに無線で操縦の指示を出しながら、救助計画を立てます。しかし、機体の無線通信が故障してしまい、絶望的な状況で409便は山へと迫っていきます。乗客たちの運命は、ナンシーの手に委ねられるのです。

本作は、人間ドラマよりも迫力のある救出アクションに重きを置いており、前作の『大空港』からさらに進化したストーリー展開が魅力的です。原作者のアーサー・ヘイリーはこの続編の制作に関与していないものの、書類上は続編の制作が可能であることが記されていました。

制作はユニバーサル映画の副社長であるジェニングス・ラングが担当しましたが、制作費は300万ドルと低予算で行われました。これは、当時公開された『大地震』の余った制作資金を利用したとも言われていますが、真偽は不明です。

特筆すべきは、キャストの顔ぶれです。名優チャールトン・ヘストンやカレン・ブラック、リンダ・ブレア、グロリア・スワンソンなど、豪華な出演陣が揃い、それぞれが印象的な演技を見せています。また、映画の中にはシスター・ルースを演じたヘレン・レディの歌唱シーンもあり、場面にさらなる深みを加えています。

本作は日本でも高い興行成績を収め、公開された年において外国映画の興行成績で第7位にランクインしました。シリーズ化された『Airport』の中で、本作は第2作目として位置づけられ、ジョージ・ケネディは4作品全てにわたり登場し続けました。彼のキャラクターは前作では整備士でしたが、本作では架空の航空会社の副社長役として描かれています。

このように、『エアポート'75』は1970年代の航空パニック映画の金字塔となった作品であり、その後の作品やメディアに多くの影響を与えました。今日でもその影響力は色褪せることなく、映画ファンやパニック映画のジャンルにおいて特別な位置を占めています。

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