T-90

T-90戦車

概要

T-90（ロシア語：Т-90）は、ソビエト連邦とロシア連邦によって開発された第三世代の主力[[戦車]]です。この戦車は、T-72をもとに数々の改良を加え、高級モデルのT-80U/UDに近づけたものです。1992年にロシア連邦軍へ正式に採用されて以来、「ヴラジーミル」の愛称で親しまれています。

開発の背景

T-90の開発は、湾岸戦争においてロシア製兵器の評価が低下したことを受けて進められました。軍事技術の輸出市場拡大を狙い、高性能で扱いやすいモデルを目指しました。しかし、T-90の開発は湾岸戦争の前から始まり、特にソ連崩壊後の新たな状況下で、維持管理が難しくなった他の戦車系列のニーズにも応えています。

1980年代半ば、ソ連はT-64、T-72、T-80という三種類の主力[[戦車]]を保有していましたが、中でもT-72は信頼性が高く、部隊からの支持を集めていました。運用側からはT-72にT-80に匹敵する攻撃力を持たせ、主力[[戦車]]として大量配備する必要性が訴えられました。試作番号オブイェークト188が1989年に製造され、1991年3月に「T-72BU」として採用されました。しかし、量産型は経済的混乱の影響で1992年になってようやくロールアウトしました。

特徴

T-90は125mmの2A46滑腔砲を主砲として持ち、各種の弾薬に対応しています。特筆すべきは、主砲から対戦車ミサイルを発射できる点で、レーザーで目標を照射しミサイルを誘導します。この機能は旧東側の特徴であり、T-90は更に様々な改良を加えられています。

防御システムも強化されており、積層装甲と新型爆発反応装甲コンタークト5を採用しています。さらに、ミサイル警報装置が搭載され、敵からの攻撃を防ぐ能力も向上しています。エンジンも強化されており、T-90Aでは1,000馬力のV-92S2エンジンにアップグレードされています。

輸出と採用国

T-90はコストパフォーマンスの優れた戦車であり、多くの国へ輸出されてきました。インド、アルジェリア、シリアなどが採用しており、ライセンス生産も行われています。特にインドでは「ビーシュマ」という愛称で呼ばれ、地域の安全保障上の理由から多くの輌数が導入されています。また、エジプトとの契約により、国内生産も進められています。

実戦での性能

シリア内戦やウクライナ侵攻など、T-90は実戦でも使用されてきました。シリアでは政府軍に配備され、未だに活躍していますが、機動性が求められる市街戦には苦戦する場面もあります。ウクライナでの戦闘では、T-90が鹵獲され報道されることもあり、現場では様々な戦術が求められています。

バリエーション

T-90には多くのバリエーションがあります。基本型のT-90の他に、指揮戦車型、輸出型、最新の改良型などが存在し、それぞれ異なる装備や機能があります。特に930Mプラルィヴは、最新の技術を取り入れさらなる性能向上が図られています。

結論

T-90は、その高い性能や機動力から、多くの国で採用されている主力[[戦車]]です。過去の戦争を反映し、常に進化を続けるこの戦車は、今後も世界の戦場で重要な役割を果たすことでしょう。

もう一度検索