TAAGアンゴラ航空

TAAGアンゴラ航空：アンゴラの翼、そして世界へ

TAAGアンゴラ航空は、アンゴラ共和国の国家を代表する航空会社です。1938年の創業以来、アフリカ大陸を拠点に世界各地への路線を展開し、アンゴラの空の玄関口として重要な役割を担っています。長い歴史と幾多の変遷を経てきた同社の歩み、そして現在に至るまでの軌跡をたどってみましょう。

揺るぎない歴史とEU乗り入れ禁止からの復活

1940年、「DTA」（Divisão dos Transportes Aéreos）として運航を開始したTAAGアンゴラ航空。1973年に現在の社名へ改称し、着実にその規模を拡大していきます。しかし、2007年にはEUから整備不良を理由にEU圏内への乗り入れを全面的に禁止されるという危機に見舞われます。安全性の懸念から下された厳しい措置でしたが、TAAGアンゴラ航空は、ボーイング777のEU圏内乗り入れ許可（2009年）という光明を得て、2010年には厳しい条件付きながらも全EU加盟国への就航を認められました。この間、南アフリカ航空からリースしたボーイング747-400を用いてヨーロッパ路線を維持した努力も実を結びました。

この経験を踏まえ、TAAGアンゴラ航空は積極的に機材更新を進め、ボーイング777やボーイング737-800などの最新鋭機を導入。現在では、すべての旅客機がEU域内への乗り入れを可能としており、アメリカ合衆国やイギリスなどへの路線拡大も計画されています。

エミレーツ航空との提携と解消

2014年には、エミレーツ航空と経営支援に関する包括的な提携合意を結びました。しかし、この提携は2017年に解消されています。その詳細な理由は公表されていませんが、両社の戦略的な方向性の違いや、経営面での課題などが影響したと考えられます。

広範な路線網：アフリカ、アジア、ヨーロッパ、そしてアメリカへ

TAAGアンゴラ航空は、アンゴラ国内の主要都市に加え、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、そして北南アメリカ大陸へと広がる幅広い路線網を有しています。アフリカ大陸内では、多くの国々との間で定期便を運航し、ビジネスや観光の重要な交通手段となっています。また、中国やアラブ首長国連邦などアジア諸国、ポルトガルなどヨーロッパ諸国、ブラジルやキューバなど南北アメリカ大陸への路線も展開。アンゴラと世界を繋ぐ、重要な役割を果たしています。

多くの航空会社とのコードシェア

国際的なネットワークの拡充のため、エールフランス、ブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザドイツ航空など、世界的に名の知れた航空会社との間でコードシェア協定を締結し、相互送客を促進しています。これにより、乗客はより多くの選択肢と利便性を享受できるようになっています。

最新鋭機材と過去の機材

TAAGアンゴラ航空は、ボーイング社製の航空機を多く導入しています。現在、同社が発注したボーイング機には、顧客番号M2が付けられており、737-7M2や777-3M2ERといった型式名で識別されます。過去の機材には、ダグラスDC-8、ボーイング707、727、747、ロッキードL1011、エアバスA340、イリューシンIl-62M、アントノフAn-26など、様々な機種が使用されてきました。これらの機材は、TAAGアンゴラ航空の歴史と発展を物語る貴重な証でもあります。

未来へ向けた展望

機材更新と路線網拡大を継続しつつ、安全性とサービス品質の向上に努め、国際的な競争力を強化していくことが、TAAGアンゴラ航空の今後の課題であり、また成長への鍵となるでしょう。アンゴラの発展とともに、TAAGアンゴラ航空も更なる進化を遂げていくことが期待されます。

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