TBS それ行け!歌謡曲

『それ行け!歌謡曲』：TBSラジオを彩った歌謡曲ワイド番組の軌跡

1970年代のTBSラジオを代表する人気番組『それ行け!歌謡曲』。1970年10月5日から1978年10月まで、平日昼間の放送枠を賑わせたこの番組は、時代と共にパーソナリティや内容を変えながら、多くのリスナーを魅了しました。本稿では、その歴史と魅力を詳細に見ていきます。

番組開始とパーソナリティの変遷

番組は1970年10月5日、月～金曜13時30分から16時30分までの枠でスタート。当初は月・火曜日に山本文郎アナウンサーと加藤みどり、水～金曜日に愛川欽也と見城美枝子アナウンサーという布陣でした。愛川欽也は翌1971年4月からTBSラジオの深夜番組『パックインミュージック』のパーソナリティも兼任するようになり、その人気は深夜帯にも広がっていきました。

1971年10月4日からは放送開始時間が12時00分に繰り上がり、月・火曜日のパーソナリティが羽佐間道夫と菅原牧子へと交代。その後、1972年4月10日に12時00分から13時30分まで『榎さんのお昼だよ〜!』がスタートしたため、再び放送時間は13時30分から16時30分に。その後、全曜日のパーソナリティが愛川欽也と見城美枝子のコンビとなりました。

1974年1月からは、愛川欽也の相手が江川範子に交代（～1975年4月10日）。1975年4月14日には一週間だけ見城美枝子が復帰。その後、同年4月21日から5月23日までは白石冬美が約一ヶ月限定で愛川欽也と共演し、『キンキンのそれ行け歌謡曲』として放送されました。そして、最後の週である5月26日から5月30日までは再び見城美枝子が復帰し、“キンキン・ケンケン”コンビで番組を締めくくりました。

1975年6月2日からは、メインパーソナリティが石山かつみに、パートナーが菅原牧子となり、『かつみ・おまきのそれ行け!歌謡曲』とタイトルを変更。菅原牧子の「あなたのハートを釘付けよ！」という決め台詞も人気を博しました。

人気コーナーの数々

番組には数多くの魅力的なコーナーがありました。15時00分からの『ミュージックキャラバン』では、初期には久米宏と平野レミが出演。ジュークボックスから流れる曲が男性歌手か女性歌手かを当てるゲームで、平野レミの「男が出るか！女が出るか！」という叫び声は当時話題となりました。他にも、『横丁からこんにちは』（林家木久蔵(現・林家木久扇)出演）、『柳家小三治の歌謡曲外伝』、『今月のベスト5』、『さあなんと解く?』、『奥様ダイヤル』、『トピック歌謡曲』など、多彩なコーナーがリスナーを楽しませました。

『かつみ・おまき』時代には、『それ行けだけが知っている』、『それ行けスペシャル』、『あなた電話ですよ』といったコーナーも登場。さらに、『ミュージックキャラバン』の出演者も三笑亭夢之助、木村恵美(月・火・水)、三遊亭小遊三、上杉恵子(木・金)など、豪華な顔ぶれに変わっていきました。

放送時間とタイムテーブルの変化

番組の放送時間は当初13時30分から16時30分でしたが、1971年10月4日からは12時00分に繰り上がり、1972年4月10日には再び13時30分から16時30分に戻りました。その後、1978年10月2日からは30分繰り上がり、13時00分から16時30分での放送となりました。タイムテーブルも、放送時間やパーソナリティの変更に合わせて変化していきました。それぞれの時代で、ニュースや交通情報、リクエストコーナー、音楽、トークなどがバランスよく配置され、リスナーに幅広い楽しみを提供していました。

『それ行け!歌謡曲』の遺産

『それ行け!歌謡曲』は、個性豊かなパーソナリティ、多彩なコーナー、そして時代を彩る歌謡曲の数々によって、多くのリスナーに愛された番組でした。その歴史は、日本のラジオ番組史において重要な一頁を刻んでいます。番組が終了してからも、その名と内容は、多くの人の記憶の中に生き続けていると言えるでしょう。

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