TGV La Poste

TGV郵便車両（TGV La Poste）

TGV郵便車両、正式にはTGV La Posteは、フランス国鉄（SNCF）のTGV Sud-Estを基本にした動力集中方式の郵便車編成です。この列車は、フランス郵政公社（La Poste）の郵便物や小包の輸送を目的として設計され、1984年10月1日からフランス国内で高速に結びつける役割を果たしました。しかし、2015年6月27日をもって運行は終了しました。

編成について

TGV La Posteの編成は、基本となるSud-Est編成とは異なり、特別な編成番号が付与されています。具体的には、動力車1両と郵便車4両から成る合計5両が一つの単位で、営業列車ではこれを2本組み合わせて、両端に動力車、中央に郵便車8両が配置される形態となっています。この編成は1984年にアルストムによって製造され、当初は編成番号951から955までの25両が完成しました。

さらに、後にSud-Est第38編成から転用された編成番号956と957の10両が追加され、合計35両が運行されることになりました。初期の段階での車体の塗装は、黄色を基にしたデザインで、Sud-Est編成と同様の塗り分けが施されていました。「LA POSTE」ロゴは、車体のダークグレーの帯に入っていましたが、その後の運行においてこのデザインは変更が加えられました。2009年5月時点では、全ての編成が南東ヨーロッパ車両基地（Technicentre Sud Est Européen）に配置されていました。

特記事項

TGV La Posteの動力車は、時にはSud-Est編成の動力源としても使われることがありました。これは、事故や故障によってSud-Est編成の動力車が使用不可能になり、稼働可能な車両が不足するという非常事態に対処するためです。この際、TGV La Posteの動力車を一時的にSud-Est編成に回すことで、運行を続ける方法がとられたことがあります。このように、異なる塗装の編成が一時的に組成されたこともあり、実際の運行にあたっては柔軟性が求められていたことが伺えます。

TGV郵便車両は、フランス国内の郵送サービスとその歴史を象徴する存在であり、その運行は時代と共に変化し続けました。TGV La Posteが担った役割は、フランスの交通インフラの一部として、多くの人々の生活を支えたことでしょう。

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