TGV inOui

TGV inOui（テジェヴェ・イヌイ）とは

TGV inOuiは、フランス国鉄（SNCF）が高速列車TGVに用いているブランド名称です。2017年5月27日に導入され、フランス語の「inouï」（前例がない、驚くべき）に由来します。これは、単なる列車の名称変更ではなく、フランス国鉄が展開するブランド戦略の一環として行われました。

ブランド変更の背景

1981年にパリ - リヨン間で営業運転を開始したTGVは、長年その名称で親しまれてきました。しかし、2010年代に入り、フランス国鉄は自社サービスに「Oui」（はい、イェス）という単語を含むブランド名を採用し始めました。格安高速列車「Ouigo（ウィゴー）」はその先駆けであり、長距離バス「Ouibus」、マイカーリースサイト「Ouicar」と続き、ブランド戦略を強化していきました。

このような背景から、従来のTGVもブランド名を変更することとなり、「inOui」が誕生しました。2017年5月29日には、ロゴマークや新塗装とともに発表され、同年7月2日にLGVブルターニュ-ペイ・ド・ラ・ロワール線の開業に合わせて営業運転を開始しました。2020年までに、従来のTGV運行路線は全てinOuiに変更される予定です。

リブランディングの目的

フランス国鉄総裁ギョーム・ペピ氏は、このブランド変更を「必要なブランド再生（リブランディング）」と説明しています。リブランディングによって高速列車全体の利用客数を2020年時点で1億2000万人へと引き上げる計画を立てています。

inOuiのサービスの特徴

inOuiでは、従来のTGVの1等車やビュッフェはそのまま維持されます。さらに、車内Wi-Fiの導入、シートピッチの拡大、荷物置き場の拡充といった改良も行われ、格安列車であるOuigoとの差別化を図っています。これにより、より快適で高品質な移動体験を提供しています。

TGVの名称について

「TGV」という愛称が完全に消滅するわけではありません。名称やロゴマークには「TGV」の表記が残され、使用される高速車両自体も引き続き「TGV」と呼ばれます。つまり、「inOui」はTGVという列車そのものではなく、サービスブランドとしての名称です。

まとめ

TGV inOuiは、単なる名称変更ではなく、フランス国鉄のブランド戦略における重要な一歩です。サービスの向上と快適な移動体験の提供を通じて、より多くの人に高速鉄道を利用してもらうことを目指しています。従来のTGVの良さを引き継ぎつつ、新たな魅力を加えたinOuiは、フランスの鉄道旅行をさらに進化させていくでしょう。

関連情報

• - TGV：高速列車の名称。inOuiはTGVのブランドの一つです。
• - SNCF公式サイト：フランス国鉄の公式サイト。詳細な情報が掲載されています。
• - ウィキメディア・コモンズ：TGV inOuiに関する写真や動画が公開されています。

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