THE BORDER

アルバム『THE BORDER』

1984年2月15日にリリースされた『THE BORDER』は、矢沢永吉にとってワーナー・パイオニア移籍後初のベストアルバムです。このアルバムは、当時のフィルムコンサートツアー「I am a Model」の開催中に発売されました。収録曲である「THE BORDER」は、アルバムの告知フライヤーでは“未発表曲”とされていましたが、レコードの帯には“新曲”と記載されており、その扱いに若干の差異が見られました。

当初、このアルバムは世界発売を視野に入れた3枚目のオリジナルアルバムとして企画されていました。しかし、制作途中で方針が変更され、新曲「THE BORDER」を含むベストアルバムとしてリリースされることになりました。この変更の背景には、共同制作者であるボビー・ラカインド（ドゥービー・ブラザーズ）に対する矢沢の不信感があったとされています。矢沢自身も「ボビーはアンフェアだった」とコメントしており、制作過程における不満を露わにしています。

収録曲

1. THE BORDER
作詞・作曲：Bobby Lakind & Michael McDonald
後に16枚目のシングルとしてシングルカットされました。
レコードでは「作詞：Bobby Lakind、作曲：Michael McDonald」とクレジットが誤表記されていましたが、後のCD化で修正されました。
2. DON'T COME TOO CLOSE
作詞・作曲：Bobby Lakind & Paul Barrere
アルバム『YAZAWA』に収録されています。
3. LOVE THAT WAS LOST
作詞：Bobby Lakind & Paul Barrere、作曲：矢沢永吉
9枚目のシングルで、アルバム『YAZAWA』にも収録されています。
4. ROCKIN' MY HEART
作詞・作曲：John McFee
13枚目のシングルで、アルバム『YAZAWA It's Just Rock'n Roll』に収録されています。
5. IT'S JUST ROCK'N ROLL
作詞・作曲：Bobby LaKind & Mark Jordan
アルバム『YAZAWA It's Just Rock'n Roll』に収録されています。
6. THIS IS A SONG FOR COCA-COLA
作詞：島崎政樹、作曲：矢沢永吉
7枚目のシングルで、アルバムには初収録です。
7. YES MY LOVE
作詞：ちあき哲也、作曲：矢沢永吉
11枚目のシングルで、アルバム『P.M.9』に収録されています。
8. WITHOUT YOU
作詞：ちあき哲也、作曲：矢沢永吉
アルバム『P.M.9』に収録されています。
9. YOU
作詞：ちあき哲也、作曲：矢沢永吉
10枚目のシングルで、アルバム『RISING SUN』に収録されています。
10. ミスティ
作詞：ちあき哲也、補作詞・作曲：矢沢永吉
14枚目のシングルで、アルバム『I am a Model』に収録されています。
11. LAST CHRISTMAS EVE
作詞：矢沢ファミリー、作曲：矢沢永吉
15枚目のシングルで、アルバムには初収録です。

シングル『THE BORDER』

アルバム発売から約1ヶ月後の1984年3月10日に、16枚目のシングルとして「THE BORDER」がリリースされました。このシングルは、ベストアルバム『THE BORDER EIKICHI YAZAWA THE BEST SELECTION』からのシングルカットです。

収録曲

1. THE BORDER
作詞・作曲：Bobby Lakind & Michael McDonald
ジョニー・ウォーカー赤ラベルのCMソングとして使用されました。
シングル盤には歌詞の対訳が掲載されています。
2. I SAID I LOVE YOU
作詞：Keith Knudsen、作曲：矢沢永吉
アルバムには未収録でしたが、後にベストアルバム『THE ORIGINAL』に収録されました。

このシングルカットは、アルバムのプロモーションの一環として行われ、CMソングとしても使用されたことで、幅広い層に楽曲が浸透するきっかけとなりました。

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