TINY MEMORY

『TINY MEMORY』：柏原芳恵の新境地

『TINY MEMORY』は、1983年11月23日に柏原芳恵がリリースした8枚目のオリジナル・アルバムです。このアルバムは、松山千春の楽曲によって全て構成されており、キャッチコピーには「松山千春の作品との出会いで、広がる芳恵の新世界」と謳われています。この作品は、芳恵の音楽キャリアにおける重要な一歩を示しており、彼女の歌声と松山千春の作詞・作曲が融合した新しい音楽の地平を切り開いています。

制作背景

アルバム全体が松山千春の作品から構成されていることが特長で、彼の楽曲は芳恵の独特なスタイルを引き出す要素となっています。松山千春は、1970年代から1980年代にかけて数多くのヒット曲を生み出しており、彼の歌詞は深い情緒や美しいメロディを持っています。このアルバムでのコラボレーションにより、芳恵は松山の音楽的哲学と自らの表現を融合させることに成功しました。

リリースの経緯

『TINY MEMORY』は、2010年4月14日にデジタル・ダウンロード限定で再リリースされ、その後2018年8月29日には「TINY MEMORY+5」として初CD化されました。このCDはSHM-CD仕様であり、収録楽曲に5曲のボーナストラックが追加されています。デジタル化により、より多くのリスナーがこの名作に触れる機会が得られました。

収録曲

アルバムの収録曲は、全て松山千春による作詞・作曲で構成されています。以下は収録楽曲の概要です。

SIDE A

• - 南風にのせて：編曲は石川鷹彦で、松山のアルバム『こんな夜は』に収録された原曲が特徴です。芳恵が書籍『恋人模様』で最もお気に入りの1曲として挙げています。
• - かざぐるま：青木望による編曲が施され、原曲は松山のアルバム『君のために作った歌』に含まれています。
• - 貴方のことで：石川鷹彦編曲のこの曲は、松山のアルバム『歩き続ける時』からの収録です。
• - あたい：松山のアルバム『空を飛ぶ鳥のように 野を駈ける風のように』に存在する原曲が使用されています。
• - 白い花：青木望の編曲で、松山のシングル「時のいたずら」に収録される曲です。

SIDE B

• - 初恋：先行シングルのB面として注目されており、松山のシングル「旅立ち」のB面に収録された原曲があります。
• - 私を見つめて：松山のアルバム『こんな夜は』に収められている原曲を基にした曲です。
• - 愛は気まぐれ：松山のアルバム『大いなる愛よ夢よ』収録の原曲から編曲されています。
• - タイニー・メモリー：先行シングルのA面曲で、アルバム・ヴァージョンが収録されています。
• - 限りある命：松山のアルバム『時代をこえて』からの楽曲です。

ボーナストラック

「TINY MEMORY+5」には、以下の5曲のボーナストラックが含まれています。

• - タイニー・メモリー (シングル・ヴァージョン)：15枚目のシングルバージョン。
• - カム・フラージュ：中島みゆき作詞・作曲の16枚目のシングル。
• - 雪：中島みゆき作のB面曲。
• - キミだけの未発表ライブ“オー・シャンゼリゼ”：カセット限定ベスト・アルバム「ギャラリー」に収録。
• - 芳恵のハラハラドキドキインタビュー：同じく「ギャラリー」に現れる楽曲です。

『TINY MEMORY』は、柏原芳恵と松山千春のコラボレーションが洗練された形で実現した作品であり、1980年代の日本の音楽シーンにおいて欠かせない一枚となっています。彼女の歌声と松山の詞がもたらす感動は、現在でも多くのファンに愛されています。

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