TNC放送会館

TNC放送会館

TNC放送会館は、福岡県福岡市早良区百道浜に位置する、テレビジョン西日本の本社・演奏所機能を核とした複合超高層ビルです。シーサイドももち地区の主要なランドマークの一つとして、福岡タワーのすぐ南側に隣接しています。

建物の概要と構成

この建物は地上21階建て、高さ100メートルを誇ります。これは、近隣に立つM-TOWER（地上20階建て、高さ100メートル）と並び、オフィス利用を主目的とする建築物としては福岡県内で最も高い水準にあります。

建物の大部分を占めるのは、その名称が示す通り、テレビ西日本（TNC）の放送局設備です。ただし、放送関連施設が使用しているのは4階から7階の範囲に限定されています。8階より上のフロアは、外部企業向けの賃貸オフィススペースとして活用されています。

低層階、具体的には1階から3階は、「パヴェリア」（Paveria）と呼ばれる商業施設エリアとなっています。この名称は「Pave」（道を開く）、「Area」（拠点）、「Pavilion」（パビリオン）を組み合わせた造語です。

過去には、低層棟（ホール棟）の2階には多目的な利用が可能な「パヴェリアホール」が、3階にはミニシアター「シネサロン・パヴェリア」が設けられていました。パヴェリアホールでは、特に格闘技イベントなどが頻繁に開催されていましたが、これらの施設はオフィス空間への転換のため、2007年3月31日に閉鎖されました。現在、このスペースはTNCの子会社で番組制作などを手がける株式会社VSQのオフィスとして利用されています。

同じ街区内には、RKB毎日放送の放送会館も隣接して立地しています。RKB放送会館は地上8階・地下1階建てで、延床面積は約25,400平方メートルです。RKBは建物の大部分を放送局施設として使用しているのに対し、TNC放送会館は一部フロアのみが放送施設であるため、放送局としての物理的な施設規模はRKBの方が大きいと言えます。

交通アクセス

TNC放送会館への公共交通機関を利用したアクセスは、主に西鉄バスが中心となります。最寄りの鉄道駅は福岡市地下鉄空港線の西新駅ですが、距離があるためバスの利用が一般的です。

福岡市の中心部である天神地区や博多駅周辺（博多駅前、博多バスターミナル）からは、TNC放送会館方面への直通バスが多数運行されています。また、地下鉄空港線の藤崎駅に隣接する藤崎バス乗継ターミナルからも、TNC放送会館方面へのバス路線が利用可能です。

近隣には複数のバス停留所がありますが、TNC放送会館に最も近いのは主に以下の2箇所です。

福岡タワー（TNC放送会館）バス停
TNC放送会館の西側に位置し、「パヴェリア」のエントランス前付近にあります。このバス停は、北隣にある西鉄バス百道浜営業所の最寄りでもあり、百道浜営業所を発着する路線の多くが停車します。以前は「福岡タワー南口（TNC放送会館）」という名称だったため、後述のバス停と混同されやすかったですが、2014年10月1日に現在の名称に改められました。
福岡タワー南口バス停
TNC放送会館の南側を走る福岡市道地行百道線沿いの路上に設けられています。藤崎駅を発着する路線など、途中通過する系統が停車します。

道路交通としては、福岡高速環状線の百道出入口が非常に近くに位置しており、車でのアクセスも便利です。

運営について

TNC放送会館の管理・運営を行っているのは、株式会社TNC放送会館です。この会社は、テレビ西日本と、建物の建設を手がけた大手建設会社である竹中工務店の合弁によって設立された不動産事業会社です。TNC放送会館の建物全体の運営管理に加え、8階以上の賃貸オフィススペースに関する業務も担っています。

同社の元社長には、TNCの関連会社である西日本新聞社出身で、テレビ西日本の専務取締役を務めた経験を持つ人物がいました。

関連事項

* 九州地方の超高層建築物の一覧

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