TOI-1130

TOI-1130

TOI-1130は、地球からおよそ190光年離れた位置にある、みなみのかんむり座方向のK7型恒星です。この星は、TYC 7925-02200-1やTIC 254113311といった別名でも呼ばれています。年齢はおよそ82億年と推定されており、サイズは私たちの太陽と比較して約32%小さいことが分かっています。

惑星系

TOI-1130の周囲には、少なくとも2つの太陽系外惑星が存在します。これらの惑星は、NASAのトランジット系外惑星探索衛星（TESS）による観測データの分析から発見されました。

TOI-1130 b: 主星に最も近い内側の惑星で、海王星に匹敵するサイズです。公転周期は約4.1日と短く、表面温度は約527℃と見積もられています。
TOI-1130 c: TOI-1130 bの外側を公転する惑星で、木星サイズのホット・ジュピターです。公転周期は約8.4日で、表面温度は約364℃と推定されています。

これらの惑星の発見は、Huang博士らの研究チームによって行われ、TESSデータの解析と、パンスターズ、TRAPPIST、SMARTSといった地上望遠鏡による追観測によって確認されています。

特徴的な惑星配置

TOI-1130惑星系が注目されるのは、その惑星配置の珍しさです。公転周期が10日未満で主星のすぐ近くを回るホット・ジュピター（TOI-1130 c）を持つ系でありながら、さらにその近傍に別の惑星（TOI-1130 b）が存在する例は非常に稀です。

これまでに、公転周期が10日より短いホット・ジュピターと、そのホット・ジュピターの軌道距離の数倍以内に別の惑星を持つ系として知られていたのは、WASP-47系とケプラー730系のわずか2例だけでした。

TOI-1130系は、この特異な配置を持つ惑星系として3番目に発見された事例です。このような系を研究することで、惑星系がどのように形成され、現在の軌道に至るかという進化過程の理解が進むと期待されています。

今後の展望

TESS衛星は膨大な観測データを取得しており、その全てがまだ詳細に解析されたわけではありません。研究者たちは、未解析のデータの中から、TOI-1130系のような珍しい惑星配置を持つ系が他にも発見される可能性に期待を寄せています。さらなる発見は、多様な惑星系の存在を知る上で重要となります。

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