TOI-1338 b

TOI-1338 b

概要

TOI-1338 bは、私たちの太陽系から遠く離れた宇宙に存在する太陽系外惑星の一つです。特定の恒星ではなく、二つの恒星がお互いの周りを回りながら形成する連星系、TOI-1338の周囲を軌道運動しています。この珍しいタイプの惑星は、地球から見てがか座の方向に位置しており、その距離は約1300光年と推定されています。TOI-1338系において、最初にその存在が確認された天体です。

発見の経緯

TOI-1338 bの発見は、若い才能が科学に貢献する素晴らしい事例となりました。この惑星を見つけたのは、2019年の夏にアメリカ航空宇宙局（NASA）とのインターンシッププログラムに参加していた、当時17歳の高校生です。彼は、NASAのトランジット系外惑星探索衛星（TESS）によって観測されたデータの中に、惑星が恒星の手前を通過（トランジット）することによるわずかな明るさの変化を探していました。その解析作業の中で、彼はTOI-1338 bが起こす特徴的なシグナルを捉えたのです。この発見は、サンディエゴ州立大学、シカゴ大学、そして他の研究機関に所属する科学者たちとの共同研究によって確認され、さらに詳細な分析が進められました。

特徴

TOI-1338 bは、その物理的性質においても興味深い特徴を持っています。大きさに関しては、地球の直径の約6.9倍に相当すると考えられています。これは、太陽系に存在するガス惑星である海王星と土星の中間程度に位置するサイズです。最も特徴的なのはその公転軌道です。TOI-1338 bは、連星である二つの恒星、すなわち主星と伴星のペア全体を周回しています。その公転周期は一定ではなく、約93日から95日の間で変動するとされています。連星系を構成する恒星のうち、主星は太陽と比較して質量が約10パーセント大きい一方、伴星は太陽の質量の約3分の1と小さく、これら二つの恒星は約15日ごとに互いの周りを公転しています。このような連星の周りを回る惑星は、「周連星惑星（circumbinary planet）」と呼ばれ、比較的珍しいタイプの太陽系外惑星です。

公式発表

TOI-1338 bの発見とその詳細な性質に関する研究成果は、2020年1月6日に正式に公表されました。発表の場となったのは、ハワイ州ホノルルで開催された第235回アメリカ天文学会のパネルディスカッションです。また、この研究内容は、発見者を含むサンディエゴ州立大学やシカゴ大学などの研究者が共同で執筆した科学論文としてもまとめられ、専門の科学雑誌に掲載されました。若いインターンシップ生によるデータ解析が、新たな惑星の発見につながった事例として、広く注目を集めました。

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