TOKYO本音モデルズ

『TOKYO本音モデルズ』（TOKYO REAL MODELS）は、2009年10月19日、フジテレビ系列で放送された、リアリティとフィクションが複雑に絡み合った異色のドラマです。月曜深夜に放送されたこの作品は、人気ファッションモデルたちの華麗な世界と、その裏側にある人間模様をリアルに描き出し、多くの視聴者を魅了しました。

物語の中心となるのは、人気モデルの藤井リナとマリエ。2人は親しい友人同士でありながら、ある出来事をきっかけに、激しい確執を抱えることになります。それは、マリエの元恋人とのリナの密会が発覚したことから始まります。このゴシップは業界内に瞬く間に広がり、やがて写真集の撮影現場で、2人の間で大きな争いが勃発。周囲を凍りつかせるほどの激しい口論は、彼女たちの関係を決定的に悪化させます。

ドラマは、東京ガールズコレクション（TGC）の舞台裏や、ファッション誌『ViVi』の撮影風景など、モデルたちの実際の仕事風景を数多く取り入れています。さらに、『ワッチミー!TV』や『プレミアの巣窟』といった、実在のテレビ番組の収録風景も登場。これらのシーンは、ドキュメンタリー要素とフィクションがシームレスに融合し、まるで現実とドラマの境界線が曖昧になっているかのような独特の雰囲気を作り出しています。

藤井リナ、マリエ、ローラといった人気モデルたちが、自身の名前で出演している点も、このドラマの大きな特徴です。彼女たちのリアルな姿と、役を演じる姿が混在することで、作品全体にリアリティが加えられ、視聴者は、どこまでが真実でどこからが作り話なのか、最後まで見極めることができません。この、真実と虚構が入り混じった独特の構成が、この作品に緊張感と魅力を与えています。

『TOKYO本音モデルズ』は、単なるモデルたちの日常を描いたドラマではありません。それは、友情と裏切り、成功と挫折、そして華やかな世界の裏に潜む、人間関係の複雑さを描いた、人間ドラマです。モデルたちの仕事への情熱、葛藤、そして友情の深さ、それらすべてが、このドラマに奥行きを与え、多くの視聴者に深い感銘を与えました。

2010年には、続編となる『TOKYO本音モデルズ2 TOKYO REAL MODELS〜episode spring〜』が制作・放送されました。スタッフは前作とほぼ同じですが、キャストは一部変更されています。両作品は、『TOKYO本音モデルズ 1＆2』としてDVDソフト化されており、現在でも多くのファンから支持されています。

演出は松木創、脚本は龍樹、企画は太田大、プロデューサーは鎌田雄介（ボイス＆ハート）、撮影監督は白石利彦、編集は平原賢志、選曲は松木創、制作はフジテレビとバンエイトが担当しました。この豪華なスタッフ陣によって生み出された『TOKYO本音モデルズ』は、日本のテレビ[[ドラマ]]史において、独特なスタイルと高いリアリティで記憶される作品と言えるでしょう。

この作品は、ドキュメンタリーとドラマの境界線を曖昧にすることで、視聴者にリアルな感動と、考えさせられる余韻を残すことに成功しました。モデルという華やかな世界の一端を垣間見ることができるだけでなく、人間関係の複雑さや、成功の裏側にある葛藤といった、普遍的なテーマも深く掘り下げています。そのため、ファッションに興味がない人でも、十分に楽しめる作品と言えるでしょう。

もう一度検索