TOP OF THE POPS (桑田佳祐のアルバム)

桑田佳祐『TOP OF THE POPS』：2002年を彩った、記録的大ヒットベストアルバム

2002年11月27日、桑田佳祐のセカンドベストアルバム『TOP OF THE POPS』がリリースされました。このアルバムは、ソロ活動、KUWATA BAND、SUPER CHIMPANZEEなど、桑田佳祐関連プロジェクトからの楽曲を網羅した、まさに集大成的作品と言えるでしょう。前作ベストアルバム『フロム イエスタデイ』に続く、豪華な内容が大きな話題を呼びました。

アルバム制作の背景とコンセプト

『TOP OF THE POPS』は、同年9月にリリースされたオリジナルアルバム『ROCK AND ROLL HERO』に続く、2002年の第2弾アルバムとして発表されました。ジャケットには『ROCK AND ROLL HERO』の看板が描かれ、両作品が連作であることを示唆しています。興味深いのは、『ROCK AND ROLL HERO』に収録された楽曲は、このベストアルバムには含まれていない点です。当初は2001年のシングルを中心に据えたオリジナルアルバムを制作する予定でしたが、時間的な制約からベストアルバムの制作に切り替わったという経緯があります。桑田佳祐自身は、「ロックとポップスの対比を示したい」という意図を制作時に語っており、その構想が本作に反映されていると言えるでしょう。

チャリティーへの貢献

『TOP OF THE POPS』は、単なる音楽作品にとどまらず、社会貢献活動にも深く関わっています。初回出荷分の売上の一部と、「奇跡の地球ほし」「光の世界」「素敵な未来を見て欲しい」の印税は、桑田佳祐が積極的に参加しているチャリティー団体であるアクト・アゲインスト・エイズ（AAA）に寄付されました。この寄付金は、国内外の啓発活動、患者や感染者の社会的支援、ブックレット制作、そして一般への寄付などに活用され、2003年12月のAAAイベントでその実績が報告されました。音楽を通じた社会貢献という、アーティストとしての姿勢を強く示す取り組みと言えるでしょう。

驚異的なチャート成績

『TOP OF THE POPS』は、リリースと同時に驚異的なセールスを記録しました。2002年12月9日付のオリコン週間アルバムランキングでは、初週96.1万枚を売り上げ、堂々の1位を獲得。これは男性ソロアーティストのアルバムとしては、河村隆一の『Love』に次ぐ歴代2位、男性ソロアーティストのベストアルバムとしては歴代1位の初週売上を記録する快挙でした。さらに翌週も1位を獲得し、2週連続首位という輝かしい記録を達成しました。2006年4月時点での累計売上は166.4万枚（オリコン調べ）に達し、男性ソロアーティストのアルバム累計売上歴代4位を記録しています。桑田佳祐のソロ名義としては、シングル、アルバムを通して最大のヒット作品となりました。オリコンチャート登場週数は81週に及び、その人気とロングセラーぶりを証明しています。

多彩な楽曲と豪華な参加ミュージシャン

『TOP OF THE POPS』には、全30曲が収録されています。2枚組CDとなっており、DISC1にはソロ名義の楽曲を中心に、DISC2にはKUWATA BANDやSUPER CHIMPANZEE、Mr.Childrenとのコラボレーション作品などが収録されています。新曲として制作された「素敵な未来を見て欲しい」は、ファンから寄せられた「大切な人に送りたい言葉」を参考に制作され、作詞には「桑田佳祐＆サザンオールスターズ応援団」というクレジットが付けられました。この楽曲では、桑田佳祐が全ての楽器を演奏しているというこだわりもみられます。また、奥田民生とのコラボレーションによる「光の世界」や、美輪明宏のカバー「ヨイトマケの唄（Live at パシフィコ横浜国立大ホール）」など、バラエティ豊かな楽曲が収録されているのも本作の特徴です。多くの楽曲では、桑田佳祐自身の作詞作曲に加え、アレンジには小林武史、藤井丈司、小倉博和など、錚々たるメンバーが参加しています。

まとめ

『TOP OF THE POPS』は、音楽的にも商業的にも大きな成功を収めた、桑田佳祐にとって重要な作品です。楽曲の多様性、社会貢献への取り組み、そして驚異的なセールス記録は、このアルバムが単なるベストアルバム以上の存在感を放っていることを示しています。2002年という時代を象徴する、そして桑田佳祐のキャリアを語る上で欠かせない、まさに伝説的な一枚と言えるでしょう。

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