TOS-2

TOS-2『トソーチカ』

TOS-2（ロシア語: ТОС - тяжёлая огнемётная система）は、ロシア製の多連装ロケットシステムの一つであり、その正式名称は「トソーチカ」です。このシステムは、TOS-1と同様のコンセプトを踏襲しながら、より効率的な運用を実現しています。TOS-2は、2020年6月に開催された第75回戦勝記念日軍事パレードで初めて公にされました。

TOS-2は、軍用トラックのUral-63706-0120をベースに設計されており、車体の後部には二重車軸の6輪装輪式構造を取り入れています。これに220mmのロケット弾発射器を搭載し、主にサーモバリック爆薬弾頭のロケット弾を使用します。このシステムは、広範な射程を持ち、最大で12,000メートルまでの到達が可能です。

特徴

TOS-2は、3列6連のロケットランチャーを備えたコンテナ型の発射装置を持ち、TBS-M3サーモバリック弾頭や焼夷弾頭を持つ220mmロケット弾を発射することができます。射撃支援は、車載型のコンピュータ火器管制システムと慣性航法を使用し、高精度の照準を実現しています。さらに、クレーン・マニピュレーターも搭載されており、ロケット弾の装填が迅速に行えます。

防御面にも配慮がなされており、キャブ部分は装甲化されているほか、電子戦システムも装備されています。これにより敵の精密誘導兵器からの攻撃に対する耐性が高められています。加えて、放射線、化学、生物に対する防御部隊でも試験運用が進められています。

機動性とコスト

TOS-2は、TOS-1のT-72戦車を元にした重量級に対し、ウラル63704トラックを基にした装輪式システムであるため、より軽量に仕上げられています。この設計により、最高速度は100km/hに達し、航続距離は1,000kmに延びることが可能になりました。一方で、防御力は若干低下していますが、機動力の向上がそれを補っています。

発射管の数はTOS-1の24発から18発に減少しましたが、装填スピードが向上したため、火力の低下はないとされています。2021年にはロシア連邦軍でのテストが完了し、正式に量産が開始されました。

運用国

TOS-2は、ロシア陸軍で主に運用されており、現在その能力や運用効果が注目されています。

関連項目

• - M142 高機動ロケット砲システム（HIMARS）
• - 燃料気化爆弾

このように、TOS-2は多連装ロケットシステムとしての先進性を持ちながら、効果的な防御機能と機動力を兼ね備えた兵器として、今後の戦場で重要な役割を果たすことが期待されています。

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