TSUBAME

TSUBAMEについて

TSUBAME（つばめ）は、東京工業大学に設置されている大規模クラスター型のスーパーコンピュータです。これは「Tokyo-tech Supercomputer and UBiquitously Accessible Mass-storage Environment」の略称であり、大学のシンボルであるツバメにちなんで名づけられました。TSUBAMEは、2006年にLinpackベンチマークで38.18TFLOPSを達成し、世界のスーパーコンピュータ性能ランキングTOP500において第7位にランクインしました。その後も2008年11月まで日本国内のシステムでは最上位の地位を保持していました。

2009年6月には、87.01TFLOPSを記録し、全体で41位に、国内では新システムに更新された地球シミュレータに次いで第4位となりました。

進化の過程

TSUBAMEは、2010年にインテルのXeonとNVIDIAのGPUによるバージョンアップがされたTSUBAME 2.0へと進化しました。この時点で1192TFLOPSを記録し、全体で5位、日本国内で2位になりました。さらに、Green500ランキングでは世界第2位に入るなど、その性能は急速に向上しました。

2013年には、TSUBAME 2.5にアップグレードされ、GPUが最新のNVIDIA Tesla K20Xに交換されました。この機械の進化は、特に緊急性の高いシミュレーションや産業アプリケーションのニーズに対応するものでした。2017年に「TSUBAME 3.0」が本格稼働を開始し、計算性能は前モデルの2〜10倍以上に向上しました。2014年には、TSUBAME-KFCというテストベッドシステムも設置され、冷却効率の向上に寄与しました。

TSUBAMEの仕様

TSUBAMEの最初のバージョンであるTSUBAME 1.0は、AMD Opteron Dual Core CPUを搭載し、計639ノードが構成され、合計で10,480 CPUコアを持つ世界有数のシステムでした。TSUBAME 2.0ではAMDからインテル製のCPUへと移行し、計算性能はさらに向上しました。

2017年8月1日に稼働を開始したTSUBAME 3.0は、Intel Xeon E5-2680 v4 CPUとNVIDIA Tesla P100 GPUを搭載し、年間平均の冷却効率も高めました。2024年4月には最新のTSUBAME 4.0が稼働を開始し、計算性能は949ペタフロップスを予定しています。これにより、TSUBAMEはデータ処理やシミュレーションにおいて、国内外の研究計画に対する重要な支援を提供しつづけます。

教育と社会貢献

TSUBAMEは「みんなのスパコン」として、多くの学生や研究者が利用できる環境を提供しています。東京工業大学に属するすべての人々は、教育や研究に利用することができ、また外部企業の利用も認められています。これにより、産学共同研究やシミュレーションを通じた産業のイノベーションが促進されており、社会全体に広く貢献しています。公式外部利用の認可は、日本のスーパーコンピュータとしては初めての試みであり、多くの成功事例を生み出す礎となっています。

このように、TSUBAMEはただの計算機ではなく、教育・研究のインフラとして、そして広く社会に貢献することを目的とした重要な役割を果たしています。その進化は今後も続いていくことでしょう。

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