Tiger Lakeマイクロアーキテクチャ

Tiger Lake（タイガーレイク）は、インテルが開発したマイクロプロセッサであり、第11世代Intel Coreプロセッサのブランド名で製品化されています。2020年9月2日に正式発表され、モバイルデバイスを中心に広く採用されました。

概要

Tiger Lakeは、Ice Lakeの後継として開発され、インテルの10nmプロセスを改良した10nm SuperFinプロセス技術を採用しています。この改良により、動作周波数が向上し、供給も安定したため、モバイルデバイス市場を中心に広く普及しました。2021年1月にはハイパフォーマンスの35W版、同年5月には8コア16スレッド版がリリースされています。

最大の特徴は、新世代GPUとなるIntel Xe（Gen 12）グラフィックスの搭載です。これにより、統合グラフィックスとしてはトップクラスの性能を誇り、グラフィックス性能を必要とする作業やゲームなどにおいても、優れたパフォーマンスを発揮します。開発は、インテルのオレゴン州ヒルズボロにあるチームが担当しました。

特徴

Tiger Lakeは、以下のような多くの先進的な技術と機能が搭載されています。

10nm SuperFinプロセス: インテルの10nmプロセスを改良したもので、トランジスタの性能向上と電力効率の改善を実現しています。
Willow Coveコア: 新設計のCPUコアであり、前世代のコアと比較して、命令実行効率が向上し、処理性能が高くなっています。
キャッシュの改良: L2キャッシュが1.25MB/コア、LLC（Last Level Cache）が3MB/コアとなり、排他的キャッシュ構造を採用しています。
AVX-512 VP2INTERSECT: 高度なベクトル演算をサポートし、AIやデータ分析などの分野で性能を発揮します。
Intel Control-Flow Enforcement Technology: セキュリティを強化する技術であり、不正なコード実行を防止します。
Xe-LP(Gen 12) GPU: 最大96の実行ユニットを搭載し、統合グラフィックスとしては非常に高い性能を実現しています。8K出力にも対応しています。
リングバスの二重化: 内部バスの帯域幅を向上させ、CPUとGPU間のデータ転送を高速化します。
Image Processing Unit 6: 画像処理を高速化し、カメラ機能の性能を向上させます。
GNA 2.0: AI推論処理を高速化するアクセラレーターを搭載しています。
Thunderbolt 4を統合: 高速データ転送と映像出力をサポートするThunderbolt 4を統合しています。
USB4対応: USB4規格に対応し、より高速なデータ転送が可能です。
PCI Express 4.0: 高速なPCI Express 4.0に対応し、周辺機器の性能を最大限に引き出します。
LPDDR4X, LPDDR5メモリ対応: 高速なLPDDR4XおよびLPDDR5メモリに対応し、メモリ帯域幅を拡大しています。
メモリー上のデータ暗号化: メモリ上のデータを暗号化し、セキュリティを強化します。

製品一覧

Tiger Lakeは、モバイル向けと組み込み向けの幅広いラインナップがあります。

モバイル向け

Tiger Lake-B
Tiger Lake-H
Tiger Lake-H35
Tiger Lake-UP3
Tiger Lake-UP4

組み込み向け

Tiger Lake-H
Tiger Lake-UP3

関連項目

Comet Lakeマイクロプロセッサ
Ice Lakeマイクロアーキテクチャ
Alder Lakeマイクロプロセッサ

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