Tiny Core Linux

Tiny Core Linux（タイニー・コア・リナックス）は、非常に軽量なLinuxディストリビューションの一つです。 Damn Small Linuxの開発者の一人であったRobert Shingledecker氏が中心となり開発が進められています。その最大の特徴は、極限までサイズを小さくすることに重点を置いている点です。

概要

Tiny Core Linuxは、HDDへのインストールを必要とせず、CDやUSBメモリから起動できるライブディストリビューションとして利用できます。開発リーダーであるRobert Shingledecker氏は、プロジェクトにおいて「より小さなLinux」を追求しており、その結果、基本となるCoreバージョンはわずか16MBという驚異的なサイズを実現しています。デスクトップ環境を提供するLinuxとしては、最小クラスに位置づけられます。最も容量の大きいCorePlusバージョンでも163MBと非常にコンパクトです。

配布種類

Version 4以降、Tiny Core Linuxは主に3つの種類で配布されています。それぞれの容量はVersion 12.0のISOファイルに基づいています。

Core: 16MB。CUI（テキストベースのインターフェース）での利用を想定しています。
TinyCore: 21MB。GUI（グラフィカルインターフェース）で動作する最小限のパッケージを含み、有線LANによるインターネット接続をサポートしています。
CorePlus: 163MB。TinyCoreに加えて、無線LANによるインターネット接続や複数のウィンドウマネージャが含まれています。

システム要件

Tiny Core Linuxは非常に軽量であるため、古いPCでも動作させることが可能です。

最小構成: Coreは28MB以上のRAM、Tiny Coreは46MB以上のRAMが必要です。CPUはIntel486 DX以上が最低要件です。
推奨構成: CPUはPentium II以上、RAMは128MB以上が推奨されます。

システム

Tiny Core Linuxでは、起動時にシステムをメモリに読み込み、終了時にファイルに保存する「Frugal」という方式を採用しています。これにより、稼働中のディスクアクセスを最小限に抑え、高速化を実現しています。メモリが少ない環境では、Swap領域やスワップファイルを利用してメモリを補完することも可能です。

初期状態では、必要最低限の機能のみが搭載されており、Webブラウザやワープロソフトなどのアプリケーションは含まれていません。これらのアプリケーションは、ユーザーが「Apps」と呼ばれるパッケージ検索ブラウザを通じて、インターネット経由でパッケージファイル（拡張子.tczまたは.scm）をダウンロードし、インストールすることで利用可能になります。

インストール方法には、起動時にメモリに読み込まれる「OnBoot」と、初回起動時にメモリに読み込まれる「OnDemand」の2種類があります。これらを活用することで、メモリを効率的に使用できます。

GUI環境は、TinyCoreでは独自のTiny Xと、ウィンドウマネージャとしてflwm（初期はJWM）を使用しており、OS自体の軽量さと相まって軽快な動作を実現しています。CorePlusでは、JWM、IceWM、Flumbox、Hackedbox、Openboxなど、複数のウィンドウマネージャが利用可能です。

日本語での状況

非公式ながら、日本語化プロジェクトも存在します。しかし、日本語版はCorePlusをベースとしており、容量は80MB前後となっています。日本語によるサポートサイトも存在しますが、4.5.2以降アップデートが止まっている状況です。

派生

公式な派生種として、GUIを省きCUIで動作するMicro Core Linuxがあります。Micro Core LinuxはTiny Core Linuxよりもさらに軽量で、容量は6MB前後です。

関連情報

Linuxディストリビューションの比較
Linuxライブディストリビューションの比較
Linux
Live CD
Damn Small Linux
軽量Linuxディストリビューション

外部リンク

Tiny Core Linux公式ページ
* Tiny Core Linux 日本語化プロジェクト SOURCEFORGE.JP

もう一度検索