『Treasure Box Vol.1』:CHAGEが贈る音楽の宝箱
ラジオ番組との連携が生んだ特別な一枚
『Treasure Box Vol.1』は、日本のシンガーソングライターであるCHAGE(チャゲ)がパーソナリティを務めたラジオ番組「CHAGEのTreasure Box」から生まれたユニークなコンピレーション
アルバムです。この番組は、CHAGE自身が選曲し、リスナーに紹介する形で国内外の音楽を発信していました。本
アルバムは、まさにその番組コンセプトを体現する作品であり、番組でオンエアされ、CHAGEが特別な想いを込めて届けたであろう楽曲を中心に編纂されています。ラジオから流れる音楽に耳を傾け、その世界に浸るような、パーソナルな音楽体験をパッケージしたと言えるでしょう。
アルバムタイトルに冠された「Treasure Box」の名の通り、音楽という名の「宝物」がぎっしりと詰め込まれた作品となっています。
リリース情報と内容
本作は1999年12月16日に、当時の東芝EMI(現在のユニバーサルミュージック合同会社/EMI Records)よりリリースされました。CD形式で発売され、その後のリスナーに届けられました。収録曲は全部で15曲。バラエティ豊かなアーティストによる楽曲が収められており、1970年代から1990年代にかけての洋楽を中心に、ロック、ポップス、R&B、レゲエなど、多岐にわたるジャンルが網羅されています。CHAGEの幅広い音楽嗜好と、リスナーに新たな音楽との出会いを提供したいという番組の意図が反映された選曲と言えるでしょう。
収録曲一覧
この
アルバムに収録されているのは、以下の15曲です。時代を超えて愛される名曲や、特定の世代には懐かしく響くであろう楽曲など、多彩な顔ぶれが揃っています。
ビリーヴ・イン・ラヴ (Do You Believe In Love) /
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
ホワッツ・ゴーイン・オン (What's Going On) /
マーヴィン・ゲイ
ドント・ドリーム・イッツ・オーバー (Don't Dream It's Over) / クラウデッド・ハウス
リミニッシング (Reminiscing) / リトル・リバー・バンド
キングストン・タウン (Kingston Town) /
UB40
好きにならずにいられない (Can't Help Falling in Love) /
コリー・ハート
マイ・シャローナ (My Sharona) /
ザ・ナック
ふたりのときめき (Joyride) / ロクセット
君は完璧さ (Do You Really Want to Hurt Me?) /
カルチャー・クラブ
ハッピー・エヴァー・アフター (Happy Ever After) /
ジュリア・フォーダム
ミリオン・マイルズ (Million Miles From Home) / キザイア・ジョーンズ
スイート・スティッキー・シング (Sweet Sticky Thing) /
オハイオ・プレイヤーズ
あふれる想い (Rush Rush) /
ポーラ・アブドゥル
サーファー・ガール (Surfer Girl) /
ザ・ビーチ・ボーイズ
* リヴィング・イヤーズ (The Living Years) / マイク・アンド・ザ・メカニックス
これらの楽曲は、それぞれの時代にヒットを記録した有名な曲から、特定のファンに根強く支持される隠れた名曲まで、CHAGEの個人的な思い入れや、ラジオ番組での反響などを踏まえて選ばれたものと推測されます。
『Treasure Box Vol.1』の最大の魅力は、選曲の妙にあります。単なるヒット曲を集めたベスト盤とは異なり、ラジオ番組という文脈の中で、パーソナリティであるCHAGEのフィルターを通して選ばれた楽曲たちが集まっている点です。これにより、リスナーはCHAGEの音楽的ルーツや影響を受けたであろうサウンドの一端に触れることができます。また、多様なジャンルと年代の楽曲が一枚に収められているため、この
アルバムを聴くことで、普段はあまり耳にしないようなジャンルの音楽に触れるきっかけにもなり得ます。音楽の「宝箱」を開けるように、次にどんな曲が流れてくるのかというワクワク感を楽しみながら聴ける作品です。
この
アルバムは、当時の「CHAGEのTreasure Box」を聴いていたリスナーにとっては、番組の思い出とともに楽曲を楽しむことができる記念碑的な一枚と言えるでしょう。一方で、番組を聴いていなかった音楽ファンにとっても、CHAGEというアーティストの音楽的嗜好を知る手がかりとなるだけでなく、シンプルに良質な洋楽コンピレーションとして楽しむことができます。時代を超えて色褪せない名曲たちが、CHAGEのキュレーションによって新たな輝きを放っているのです。音楽好きであれば、ぜひ一度手に取って、この「宝箱」を開けてみてはいかがでしょうか。そこには、きっとあなたの知らない、あるいは忘れていた素晴らしい音楽との出会いが待っているはずです。