TurboJET

TurboJET（ターボジェット）とは

TurboJETは、香港を拠点とする海運会社、信徳中旅船務管理有限公司が運航する高速フェリーのブランド名です。香港がイギリス、マカオがポルトガルの植民地であった時代から、両地域を結ぶ重要な交通手段として発展してきました。

歴史

1962年、信徳集団有限公司によって、香港とマカオを結ぶ高速フェリーの運航が開始されました。当時、マカオのカジノ事業を独占していた信徳集団にとって、この航路は観光客輸送の動脈としての役割を担っていました。1980年代には、香港の上環にある信徳中心とマカオのアウター・ハーバー・フェリーターミナルを結ぶ路線が新たに開設されました。

1999年、マカオの行政管理権が中国に返還される直前に、信徳集団と香港中旅国際投資有限公司によって設立された信徳中旅船務管理有限公司に運営が引き継がれ、現在の「TurboJET」ブランドが誕生しました。現在では、香港とマカオ間の主要路線に加え、香港と中国本土の深圳、香港国際空港とマカオ、深圳を結ぶ路線も運航しています。

2018年には、香港、マカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋が開通し、競争激化に対応するため、既存の船舶の改修によるサービス向上を図っています。また、2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により運航を一時停止しましたが、2022年12月より順次再開しています。

現在の運航状況

2023年3月現在、TurboJETは以下の路線を運航しています。

香港（上環） - マカオ（外港）：1日15往復
香港（上環） - タイパ：1日5～6往復
香港（上環） - 珠海：1日4往復
香港（九龍） - マカオ（外港）：1日10往復
香港（九龍） - タイパ
深圳（蛇口） - マカオ（外港/タイパ）
深圳空港 - マカオ（外港）
香港国際空港 - マカオ（外港）

これらの路線はすべて国際線扱いとなり、乗船時にはパスポートの提示が必要です。また、空港路線については事前の予約が必要となる場合があります。

運航船舶

TurboJETは、水中翼船（ジェットフォイル）や高速双胴船など、計32隻の高速船を保有しています。これらの船舶はウォータージェット推進方式を採用しており、高速かつ快適な移動を可能にしています。

主な船舶の種類

JetFoil：ボーイング社製の水中翼船。初期型の929-100型と改良型の929-115型があります。
PS-30：中国船舶工業集団社製の水中翼船。
FoilCat：クバーナー・ヘルストランド社製の双胴水中翼船。
FlyingCat：クバーナー・ヘルストランド社製の双胴船。
TriCat：FBMマリーン社製の三胴船。
Austal 48：オーストラリアのオースタル社製の双胴船。

クラスとサービス

TurboJETでは、乗客のニーズに合わせた様々なクラスの座席が用意されています。

エコノミークラス：標準的な座席。
スーパークラス：軽食、新聞、雑誌、ターミナルラウンジ利用、優先搭乗サービスが含まれます。
VIPキャビン：スーパークラスの個室。グループでの利用に最適。
プレミアグランドクラス：スーパークラスより上級の座席。
プレミアVIPキャビン：一隻最大4席のみの最上級キャビン。

船内では、軽食や飲み物の販売、免税品の販売、フリーWi-Fiサービスが提供されています。

乗船券の購入

乗船券は、各フェリーターミナルの窓口、自動券売機、公式アプリ、公式サイトで購入できます。公式アプリではeチケットが利用でき、スムーズな搭乗が可能です。また、香港側の一部旅行代理店では、割引価格で乗船券が販売されていることがあります。

空席待ち

便指定の乗船券が完売している場合でも、空席があれば空席待ちが可能です。ただし、空席待ちには優先順位があり、必ずしも乗船できるとは限りません。また、空席待ちが成立しても、元の便の座席が復活するわけではありません。

まとめ

TurboJETは、長年にわたり香港とマカオを結ぶ重要な交通手段として利用されてきました。現在では、中国本土への路線も拡大し、ビジネスや観光客の移動を支えています。多様なクラスの座席やサービス、オンライン予約の利便性など、快適な船旅を提供しています。

参考資料：

TurboJET公式サイト
* 各社ニュースリリース

(2023年5月15日時点の情報に基づいています)

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