Twm

twm（Tom's Window Manager、またはTab Window Manager）は、X Window System用のウィンドウマネージャの一つであり、その起源は1987年にTom LaStrangeによって開発されたことに遡ります。X11R4以降、標準のウィンドウマネージャとしてXサーバに同梱されており、長年にわたり多くのユーザーに利用されてきました。

歴史

twmは、もともとuwm（Universal Window Manager）の代替として、エバンス・アンド・サザランド（E&S）に勤務していたTom LaStrangeによって開発されました。当時、これはX Consortiumの一部として位置づけられていました。1988年6月13日には、X11R1に対応したバージョンがUsenetのニュースグループ「comp.unix.sources」で公開され、その存在が広く知られるようになりました。

その後、数ヶ月の間に、MITのX Consortiumに所属していたJim FultonがE&Sにコンタクトを取り、twmのコードメンテナンスをX Consortiumに移管することを提案しました。Fultonは、twmがInter-Client Communication Conventions Manual（ICCCM）に準拠するように修正しました。この変更を経て、twmはuwmを置き換え、X11R4の標準的なサンプルウィンドウマネージャとしてリリースされるに至りました。

Fultonによれば、「tab」という言葉が選ばれた理由は、単に「T」で始まる利便性だけでなく、ウィンドウのタイトルバーがタブ付きフォルダのように見えるという視覚的な強調も理由の一つでした。

現在でもtwmはX.Org Serverの標準として、多くのXサーバで動作し続けています。また、そのコードは2022年現在でもメンテナンスが行われており、長年の歴史を持ちながらも現代のシステム環境に対応し続けています。

twmは、そのシンプルさと安定性から、多くのユーザーに支持され続けています。カスタマイズ性には限界があるものの、リソース消費が少なく、基本的なウィンドウ管理機能を提供するという特徴が、多くの環境で重宝されています。特に、古いシステムやリソースが限られた環境では、その軽量さが大きな利点となります。

脚注

twmは、X Window Systemの基本的な構成要素として、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。
シンプルなデザインのため、カスタマイズ性は他のウィンドウマネージャに比べて低いですが、その分安定性に優れています。
X Window Systemの学習用としても、twmは非常に有効な選択肢です。

出典

twmの歴史に関する情報は、当時の開発者やX Consortiumの資料に基づいています。
Usenetの投稿や関連ニュース記事なども、歴史的な背景を理解する上で重要な情報源となっています。

外部リンク

twm(1) – X Japanese Documentation Project Commands マニュアル
Twm's wiki
comp.unix.sourcesに投稿されたオリジナルのソース
* From the Desktop: Tom LaStrange Speaks! - LinuxPlanetによるインタビュー記事

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