UBE三菱セメント

UBE三菱セメント株式会社について

UBE三菱セメント株式会社（英名：Mitsubishi UBE Cement Corporation）は、日本国内で大手のセメント製造企業です。この企業は、宇部興産と三菱マテリアルの共同出資により2021年に設立され、2022年から事業を開始しました。両社がそれぞれ50%の出資を行い、新たなブランドとして市場に登場しています。

業界内での地位

セメント関連の事業において、同社の売上高は日本国内で2番目に高く、特に「耐硫酸塩ポルトランドセメント」においては、国内販売シェアが100%であることが特徴です。また、福岡県に位置する九州工場のクリンカー製造能力は761万5,000トン／年で、国内のセメント工場の中で最高の生産能力を誇ります。セメントの主要原料である石灰石は、同社が福岡県で保有する東谷鉱山から自社のベルトコンベアを利用して九州工場へと一貫して運ばれています。

UBE三菱セメントの特筆すべき点は、山口県に存在する全長約32kmの宇部伊佐専用道路です。これは日本国内で最も長い私道であり、石灰石やクリンカーを自動車で効率的に輸送するための重要なインフラです。また、宇部コールセンターも同社の重要な施設であり、石炭の中継基地としては国内最大規模を誇ります。

海外展開

米国南カリフォルニア地区では、UBE三菱セメント（旧：三菱マテリアル）と三菱商事により数多くの合弁会社が設立され、鉱山の開発やセメントの製造、生コンクリートの販売を行っています。この地域における生コンクリート市場では、子会社のRobertson's Ready Mix, Ltd.が約40%のシェアを持つなど強い存在感を示しています。

会社の歴史

1990年代後半、国内のセメント市場では、秩父小野田や住友大阪セメントなどが主要な位置を占めていました。その後、1998年には宇部興産と三菱マテリアルが共同で「宇部三菱セメント」を設立し、物流や販売を効率化する取り組みを始めました。2009年には、研究開発部門が親会社に移管され、業務を分担する体制が整いました。その結果、宇部三菱セメントは国内のセメント販売で第2位、輸出でも首位を獲得しました。

2020年には両社がセメント関連事業の統合に関する契約を締結し、2022年には新会社としてUBE三菱セメントが設立され、宇部三菱セメントを吸収合併しました。その後も、国内外での展開を強化し、事業の幅を広げています。

製品とサービス

同社は、広範な製品ラインを取り扱っており、セメントやセメント系固化材、各種建設資材を提供しています。具体的には、補修材や防水材、コンクリート資材など、多岐にわたる製品をラインアップしています。また、環境エネルギー面でも、リサイクル技術やバイオマス燃料の開発に力を入れています。

事業所と拠点

UBE三菱セメントの本社は東京都千代田区に位置し、全国各地に支店を展開しています。また、複数のセメント工場を保有し、戦略的な生産体制を構築しています。国内のみならず、海外にも多くの関連会社が存在し、国際的な事業展開にも積極的です。

未来への展望

UBE三菱セメントは、持続可能な社会の実現を目指し、環境への配慮やイノベーションに努めています。今後も、業界のリーダーシップを発揮し、グローバルな視点でのビジネス展開を進めていくことが期待されています。

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