UCB (企業)

UCBの歴史と事業概要

UCBは1928年、ベルギーの実業家エマニュエル・ジャンセンによって設立された製薬会社です。当初は化学工業が中心でしたが、抗ヒスタミン薬の開発成功を機に製薬部門が急速に拡大しました。代表的な製品である認知機能改善薬「ヌートロピル」の成功は、UCBの成長を大きく後押ししました。

その後、UCBは研究開発に注力し、抗てんかん薬「イーケプラ」、抗ヒスタミン薬「ジルテック」「ザイザル」、免疫抑制剤「シムジア」など、数々の画期的な医薬品を開発・上市しました。これらの成功は、UCBが積極的にM&Aを展開する基盤を築きました。

積極的な買収戦略と事業再編

UCBは成長戦略として、積極的に企業買収を実施してきました。2004年にはイギリスのバイオテクノロジー企業Celltechを買収、事業をバイオ医薬品に特化しました。一方、化学部門やフィルム部門は売却し、事業ポートフォリオの最適化を図っています。

2006年にはドイツの製薬メーカーであるシュワルツ・ファーマを買収しました。この買収により、パーキンソン病治療薬「ニュープロパッチ」や抗てんかん薬「ビムパット」など、新たな医薬品をポートフォリオに加えました。

買収後、UCBは経営のスリム化を進め、人員削減などの構造改革を実施しました。その結果、売上は回復基調に転じ、現在では世界7500名以上の従業員を擁するグローバル企業へと成長を遂げています。

主要製品と事業構造

UCBの売上高の大半を占めるのは神経系疾患治療薬で、免疫系疾患治療薬も重要な部分を占めています。地理的には、米国市場が最大の売上拠点を占め、ヨーロッパも主要市場となっています。

主要製品例

ヌートロピル（ピラセタム）：認知機能改善薬
ジルテック（セチリジン塩酸塩）：抗ヒスタミン薬
イーケプラ（レベチラセタム）：抗てんかん薬
ザイザル（レボセチリジン塩酸塩）：抗ヒスタミン薬
シムジア（セルトリズマブ ペゴル）：免疫抑制剤
ニュープロパッチ（ロチゴチン）：パーキンソン病治療薬
* ビムパット（ラコサミド）：抗てんかん薬

日本法人

日本法人のユーシービージャパン株式会社は1988年に設立され、医薬品輸入販売や国内生産を行っています。本社は東京都新宿区に、西日本オフィスは大阪市に所在し、埼玉工場（埼玉県入間市）では医薬品の製造を行っています。

まとめ

UCBは、研究開発力と積極的なM&A戦略によって、世界的な製薬企業へと成長を遂げました。今後も、革新的な医薬品の開発と事業拡大を通じて、世界中の患者に貢献していくことが期待されます。その歴史と事業内容、そして将来展望を知ることは、製薬業界全体の動向を理解する上でも重要な要素となるでしょう。

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