XML-RPC

XML-RPCは、遠隔手続き呼出し（RPC）を実現するためのプロトコルの一つです。その最大の特徴は、データのエンコードにXML（Extensible Markup Language）を使用し、データの転送にはHTTP（Hypertext Transfer Protocol）を利用するという点です。

このプロトコルの設計思想は非常にシンプルであり、定義されているデータ型やコマンドはごく少数に限られています。そのため、XML-RPCの仕様は非常にコンパクトで、わずか2枚の紙にまとめられるほどです。多くのRPCシステムが複雑な規格と実装を必要とするのとは対照的で、XML-RPCの簡潔さが際立っています。

XML-RPCは1998年に、UserLand Software社とマイクロソフト社が共同で開発しました。その後、このプロトコルに機能を追加し、より複雑なプロトコルであるSOAP（Simple Object Access Protocol）が誕生しました。しかし、SOAPよりもXML-RPCのシンプルさを好む開発者も多く、現在でも広く利用されています。

類似のプロトコルとしては、（JavaScript Object Notation）をベースとした-RPCがあります。これはXML-RPCと同様にRPCを実現しますが、データ形式にを使用します。

XML-RPCのデータ型

XML-RPCでは、以下のようなデータ型を扱います。

整数（i4/int）
文字列（string）
ブール値（boolean）
倍精度浮動小数点数（double）
日付（dateTime.iso8601）
base64エンコードされたデータ（base64）
配列（array）
構造体（struct）

これらのデータ型を用いて、メソッドの呼び出しや応答を表現します。

XML-RPCの具体的な例

以下に、XML-RPCの要求、応答、およびエラー応答の例を示します。

XML-RPC要求の例

xml


examples.getStateName


40





この例では、`examples.getStateName`というメソッドを呼び出し、パラメータとして整数値`40`を渡しています。

XML-RPC応答の例

xml




South Dakota





この例は、上記の要求に対する応答で、文字列`South Dakota`が返されています。

XML-RPCエラー応答の例

xml






faultCode
4


faultString
Too many parameters.







この例は、エラーが発生した場合の応答を示しており、`faultCode`と`faultString`が含まれています。

XML-RPCの関連項目

XML-RPCは、他の技術やプロトコルとも関連があります。

Ajax: 非同期通信技術であるAjaxは、XML-RPCをデータ交換手段として利用できます。
ソフトウェアコンポーネント: XML-RPCは、分散環境でソフトウェアコンポーネント間の連携を可能にします。
OPML: XMLベースのアウトラインプロセッサマークアップ言語であるOPMLは、XML-RPCで利用されるXMLに関連する技術です。
Webサービス: XML-RPCは、Webサービスを構築するための技術の一つとして利用されます。
WDDX: XMLベースのデータ交換形式であるWDDXも、XML-RPCと同様にデータ交換に用いられます。

XML-RPC関連リンク

XML-RPC Homepage
Forum
Tutorials
Technology Reports
Citations from CiteSeer
XEP-0009: Jabber-RPC XMPPプロトコル上のXML-RPC
pyJabberXMLRPC: Python用（Jabber上のXML-RPC）
Secure Apache XML-RPC
RemObjects SDK SOAPなどへのXML-RPC対応
RealThinClient SDK: Delphi/C++用
XML-RPC in Flash ActionScript 2.0
XML-RPC.NET: .NET用
Redstone XML-PRC Library Java用オープンソースライブラリ

XML-RPCは、そのシンプルさから現在でも利用されているプロトコルであり、特に小規模なシステムや、複雑な設定を避けたい場合に適しています。また、その歴史から、多くのプログラミング言語やプラットフォームでライブラリが提供されているため、比較的簡単に導入することができます。

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