UFC 30

UFC 30: バトル・オン・ザ・ボードウォーク

2001年2月23日、大西洋の保養地として知られるニュージャージー州アトランティックシティのトランプ・タージマハル・カジノで、総合格闘技イベントUFC 30が開催されました。この大会は、UFCの歴史において重要な転換点を迎えた大会として知られています。

大会のハイライト

この大会のメインイベントは、UFC世界ミドル級（現在のライトヘビー級）タイトルマッチでした。王者ティト・オーティズは、挑戦者エヴァン・タナーを圧倒的な強さで破り、見事2度目の王座防衛に成功しました。オーティズのKO勝利は、観客を熱狂の渦に巻き込みました。

もう一つの注目カードは、UFC世界バンタム級（現在のライト級）王座決定戦でした。当時修斗ウェルター級王者として名を馳せていた日本の格闘家、宇野薫選手が、ジェンス・パルヴァー選手と激突しました。接戦の末、パルヴァー選手が判定勝ちで初代王者に輝き、日本の格闘技ファンに大きな衝撃を与えました。

新たな時代の幕開け

UFC 30は、単なる格闘技イベント以上の意味を持っていました。この大会から、ズッファがUFCの運営を引き継いだのです。それまでSEG社が運営していたUFCは財政難に陥っていましたが、フランク・フェティータ三世、ロレンゾ・フェティータ、ダナ・ホワイトの3名からなるズッファによる買収は、UFCの未来を大きく変える転換期となりました。この買収によって、UFCは新たな体制の下で発展を遂げることになります。

日本の格闘家たちの挑戦

UFC 30では、日本の格闘家たちがUFCの舞台に初参戦しました。宇野薫選手に加え、ショーン・シャーク選手とフィル・バローニ選手も出場し、世界最高峰の舞台で実力を試しました。彼らの活躍は、日本の総合格闘技界に大きな刺激を与えました。

その他の注目試合

メインイベント以外にも、多くの注目カードが組まれました。ペドロ・ヒーゾ選手のKO勝ち、エルヴィス・シノシック選手の腕ひしぎ三角固めによる一本勝ちなど、記憶に残る試合が数多くありました。また、ボビー・ホフマン選手とマーク・ロビンソン選手の試合は、ホフマン選手の薬物検査陽性により無効試合となりました。

大会の結果

この大会は、ズッファによる買収後最初の大会として、新たな時代の幕開けを象徴する大会となりました。新しい運営体制の下、UFCはさらに成長し、世界最大の総合格闘技団体へと発展を遂げていきます。UFC 30は、その歴史の大きな転換点となった重要な大会であったと言えるでしょう。

プレリミナリーカード

第1試合：ショーン・シャーク ○ vs × ティキ・ゴーセン (2R 4:47 ギブアップ)
第2試合：フィル・バローニ ○ vs × カーティス・スタウト (判定3-0)

メインカード

第3試合：ボビー・ホフマン － vs － マーク・ロビンソン (無効試合)
第4試合：ペドロ・ヒーゾ ○ vs × ジョシュ・バーネット (2R 4:21 KO)
第5試合：エルヴィス・シノシック ○ vs × ジェレミー・ホーン (1R 2:59 腕ひしぎ三角固め)
第6試合：ファビアノ・イハ ○ vs × フィル・ジョンズ (1R 2:05 腕ひしぎ十字固め)
第7試合：ジェンス・パルヴァー ○ vs × 宇野薫 (判定2-0) ※パルヴァーが王座獲得
第8試合：ティト・オーティズ ○ vs × エヴァン・タナー (1R 0:32 KO) ※オーティズが2度目の王座防衛

関連情報

UFC公式試合結果
バウトレビューによる試合結果
* SHERDOGによる試合結果

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