UFC 50

UFC 50: ザ・ウォー・オブ・オーフォー - 2004年を彩った激闘の夜

2004年10月22日、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールは、熱狂的な格闘技ファンのエネルギーに満ち溢れていました。UFC 50: ザ・ウォー・オブ・オーフォー、この大会は、後に語り継がれる数々の名勝負と、波乱の展開によって記憶されることとなるでしょう。

最大の注目は、空位となっていたUFC世界ウェルター級王座決定戦でした。BJ・ペンの王座剥奪後、このベルトを掴むべく、元王者マット・ヒューズと、当時最強候補の一人であったジョルジュ・サンピエールが激突しました。両雄のプライドと意地がぶつかり合う、息詰まる戦いは、ヒューズが1ラウンド4分59秒、腕ひしぎ十字固めでサンピエールを極め、見事王座奪還という結果に終わりました。ヒューズの卓越したテクニックと経験が光った、まさに王者の風格を示した試合でした。

一方、メインイベントは予定が変更されるという波乱に見舞われました。当初はティト・オーティズ対ガイ・メッツァーの対戦が予定されていましたが、メッツァーがメディカルチェックを通過できなかったため、急遽対戦相手がパトリック・コーテに変更されました。この変更は、オーティズにとっても、そして観客にとっても、予想外の展開となりましたが、オーティズは落ち着いた試合運びでコーテを圧倒。3-0の判定勝ちで勝利を収め、観客を沸かせました。

アンダーカードも、見逃せない試合ばかりでした。ライトヘビー級では、トラヴィス・ルターがマービン・イーストマンを2ラウンドKOで撃破。ミドル級では、エヴァン・タナーがロビー・ローラーを三角絞めで仕留めるなど、各階級で激しい戦いが繰り広げられました。フランク・トリッグ対ヘナート・ヴェリッシモの一戦も、トリッグが2ラウンドTKO勝ちを収めるなど、白熱した展開が続きました。

リッチ・フランクリン対ホルヘ・リベラ戦も、見応えのある一戦でした。この試合では、フランクリンが3ラウンド、腕ひしぎ十字固めで勝利。彼の高いグラップリング技術が証明された試合となりました。

UFC 50は、王座決定戦におけるヒューズの勝利、メインイベントの変更劇、そしてアンダーカードでの数々の激しい戦いと、様々なドラマが詰まった大会でした。この大会は、UFCの歴史における重要な一ページを刻み込み、多くのファンに記憶される、忘れられない一夜となったのです。

試合結果詳細

プレリミナリィカード
第1試合：トラヴィス・ルター ○ vs. マービン・イーストマン × (2R 0:43 KO)
第2試合：アイヴァン・サラベリー ○ vs. トニー・フリックランド × (1R 1:36 胴絞め)
メインカード
第3試合：エヴァン・タナー ○ vs. ロビー・ローラー × (1R 2:22 三角絞め)
第4試合：フランク・トリッグ ○ vs. ヘナート・ヴェリッシモ × (2R 2:11 TKO)
第5試合：マット・ヒューズ ○ vs. ジョルジュ・サンピエール × (1R 4:59 腕ひしぎ十字固め) ※ヒューズが王座獲得
第6試合：リッチ・フランクリン ○ vs. ホルヘ・リベラ × (3R 4:28 腕ひしぎ十字固め)
第7試合：ティト・オーティズ ○ vs. パトリック・コーテ × (3R終了 判定3-0)

関連情報

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