UNDERGROUND (浅川マキのアルバム)

1987年12月25日に発表された浅川マキのオリジナル・アルバムで、通算18枚目の作品となる。タイトルは『UNDERGROUND』（アンダーグラウンド）。

本作は、ベーシストのボビー・ワトソンをプロデューサーに迎えて制作された。アルバム全体に共通するのは、重厚でグルーヴに満ちたファンクサウンドである。浅川マキは、その力強い演奏に乗せて、時には歌唱し、時にはポエトリーリーディングの手法も交えながら、彼女独自の深い世界観を表現している。

収録曲は以下の通り。一冊の本のようなは浅川マキ自身が作詩・作曲。靴音に合わせてアカペラ風に歌われる、このアルバムの冒頭を飾る楽曲である。ちょうどいい時間は浅川マキ作詩、ボビー・ワトソン作曲。歌詞の中に、ジョン・コルトレーンの『BLUE TRAIN』、アルバート・アイラーの『NEW GENERATION』、セロニアス・モンクの「'ROUND MIDNIGHT」といったジャズの作品名が登場する。YS・ムーンライトは浅川マキ作詩、ボビー・ワトソン作曲。重厚なファンクのリズムに乗せ、ポエトリーリーディングのようなスタイルで歌われる。9分を超える長尺の楽曲である。夜のカーニバルは浅川マキ作詩、ボビー・ワトソン作曲。歌詞の中に、日本のバンド「あぶらだこ」の名が登場する。あたしたちは浅川マキ作詩、ボビー・ワトソン作曲。Penelope Peabodyをボーカルにフィーチャーしたブルースナンバーである。TOW（曳航の恋歌）は浅川マキ作詩、ボビー・ワトソン作曲。アルバムの最後に収められた楽曲である。

参加ミュージシャンは、浅川マキ（Vocals）に加え、プロデューサー兼プレイヤーのボビー・ワトソン（Musical Producer, Bass, Keyboards）、Ricky Lawson（Drums）、Tony Maiden（Guitar）、植松孝夫（Tenor & Baritone Sax）、横山達嗣（Percussions）、Penelope Peabody（Vocals）、本多俊之（Alto & Soprano Sax, Keyboards, Piano）、山岸潤史（Guitar）、續木徹（Keyboards）、Carl Moore（Keyboards）、鈴木直樹（Synthesizer Programming）が名を連ねる。

制作スタッフとしては、ディレクターの柴田徹、田中彰、橋本恵夫、中曽根純也、石坂敬一が携わった。ミキシング・エンジニアは吉野金次、レコーディング・エンジニアは柳沢一彦、福田豊光が担当した。アシスタント・エンジニアは樋口和夫、カッティング・エンジニアは竹内昭吾、デジタル・エディティング・エンジニアは富岡豊が務めた。アートディレクションは板垣驥、写真撮影は田村仁、有賀幹夫が担当し、エディターは小島みどりである。

その他、レコーディングは東芝EMIの第1および第3スタジオで行われた。このアルバムは、後年リリースされたCD10枚組ボックスセット『浅川マキの世界 CD10枚組BOX 自選作品集』に収録されている。また、収録曲のうち4曲（Track2〜5）は、アルバム『DARKNESS II』にも収められている。

スペシャル・サンクスとして、制作にあたり複数の個人や団体に謝辞が送られている。

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