UNSTOPPABLE

キングギドラのシングル『UNSTOPPABLE』は、グループのメジャー復帰第一弾作品として、また初のメジャーシングルとして2002年4月10日にデフスターレコーズより発表されました。同時発売のシングル『F.F.B.』と共に、インディーズでの活動を経て、満を持してメジャーシーンに登場したことを告げるリリースとなりました。

オリジナル盤はCDに加えアナログ盤も制作されましたが、発売直後、収録曲「ドライブバイ」の歌詞における特定の表現が、同性愛者を侮蔑する内容であるとして、市民団体から強い抗議を受けます。キングギドラのメンバーは、これらの表現が特定のラッパーやアイドルグループを比喩したものであったと説明しましたが、批判の声はやまず、結果として本作は『F.F.B.』と共に販売停止および店頭からの回収という処分を受けることとなりました。

事態を受けて、デフスターレコーズは速やかに対応を決定。同年4月27日には、内容を再構成した新たなシングルとして再び『UNSTOPPABLE』を発売しました。この再発盤では、オリジナル盤の収録曲に加え、同時発売であった『F.F.B.』に収録されていた楽曲の一部が組み込まれています。ジャケットデザインも、オリジナル盤のカラー写真からモノクロに変更され、一部の色使いも改められました。

本作の発売に際しては、積極的にプロモーション活動が展開されました。人気音楽番組である「ミュージックステーション」や「HEY!HEY!HEY!」といったテレビ番組に出演し、その注目度の高さをうかがわせました (「速報!歌の大辞10」にはコメント出演)。

時を経て、発売から20年後の2022年、キングギドラはYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に登場し、「UNSTOPPABLE」を一発撮りでパフォーマンスしました。このパフォーマンス音源は後に配信限定シングルとしてリリースされ、再び多くの音楽ファンの注目を集めました。

再発盤シングルには以下の楽曲が収録されています。

UNSTOPPABLE
平成維新 feat. 童子-T & UZI
ミヤコ
夜明け
UNSTOPPABLE (Instrumental)
平成維新 (Instrumental)

オリジナル盤のCDには、「UNSTOPPABLE」、「ミヤコ」、「ドライブバイ」、「UNSTOPPABLE (Instrumental)」、「ドライブバイ (Instrumental)」が収録されていました。アナログ盤には、これらに加えて各楽曲のAcapellaバージョンも収録されました。

再発盤のクレジット情報によれば、「UNSTOPPABLE」にはZEEBRAの『Mr.Dynamite』とK DUB SHINEの『ラストエンペラー』が、「平成維新」にはDABOの『拍手喝采』、RHYMESTERの『ブラザーズ』、K DUB SHINEの『機能停止』がそれぞれサンプリングとして使用されています。レコーディングはS.Nittaが、ミキシングはD.O.Iが担当し、マスタリングはBernie Grundman MasteringのChris Bellmanが行いました。

2022年12月21日に配信された『UNSTOPPABLE – From THE FIRST TAKE』は、『THE FIRST TAKE』でのパフォーマンス音源をそのまま収録したものです。

このシングルは、キングギドラの歴史における重要な節目であるメジャーデビューを飾る作品であり、同時に社会的な波紋を呼び、迅速な対応を経て再リリースされたという特異な経緯を持ちます。そして20年後には新たな形で再び届けられたことで、その楽曲が持つ生命力の強さを示したと言えるでしょう。

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