UTC+7:20

UTC+7:20は、協定世界時（UTC）を基準として、7時間20分進めた時間帯を示す標準時です。この時間帯は、特定の地域で一時的に採用されたものの、現在では使用されていません。

歴史

UTC+7:20は、主に東南アジア地域で過去に採用されていました。具体的には、1933年から1941年8月にかけて、マレーシアのマレー半島部とシンガポールでこの時間帯が用いられていました。当時、これらの地域はイギリスの植民地支配下にあり、標準時の設定もその影響を受けていました。

この期間中、マレー半島部とシンガポールではUTC+7:20が採用されていましたが、一方で、マレーシアの東部、すなわちボルネオ島北部では、UTC+8が標準時として使用されていました。このことから、同じ国の中でも地域によって異なる時間帯が採用されていたことが分かります。これは、それぞれの地域における経済活動や生活習慣の違い、または地理的な要因によるものと考えられます。

採用終了の理由

1941年8月に、マレー半島とシンガポールでは、UTC+7:20からUTC+7に変更されました。これは、第二次世界大戦の勃発と、日本軍の東南アジア侵攻が背景にあります。日本軍の占領下で、マレー半島とシンガポールを含む多くの地域では、日本の標準時であるUTC+9が採用されました。戦後、元の時間帯に戻る際に、UTC+7:20ではなく、UTC+7が採用されることになりました。この変更には、時間計算の簡略化や、周辺地域との時間調整のしやすさなどが考慮されたと考えられます。

現在の状況

2023年現在、UTC+7:20を採用している地域はありません。かつてこの時間帯を使用していたマレー半島とシンガポールは、現在ではUTC+8を採用しています。UTC+8は東南アジア地域で広く採用されており、マレーシア、シンガポール、フィリピン、中国などが含まれます。これは、経済的な連携や交通の便を考慮して、地域内で標準時を統一する動きがあるためです。

まとめ

UTC+7:20は、歴史的な経緯の中で一時的に採用された時間帯であり、現代では使われていません。かつてはマレー半島部とシンガポールで採用されていましたが、その運用は短期間で終わりました。現在では、UTC+7やUTC+8といった、より一般的で分かりやすい時間帯が使われています。時間帯の変遷は、その地域の歴史や国際情勢、経済状況などと深く関連しており、標準時が単なる時間を示すだけでなく、その地域の社会や文化を反映するものであることを示唆しています。

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