Ubiquityは、
Ubuntuとその派生ディストリビューション向けに開発されたGUIインストーラーです。Live CD環境で動作し、
デスクトップ環境としてGTK+と
Qtの両方をサポートしています。ユーザーフレンドリーなインターフェースにより、初心者でも容易に
Ubuntu系OSのインストールを可能にしました。最初にUbiquityが採用されたディストリビューションは、
Ubuntu 6.06 (Dapper Drake)です。
しかし、
Ubuntu 23.04からは標準搭載のインストーラーとしての役割を終え、代替としてSubiquityと呼ばれる新しいインストーラーが導入されました。このSubiquityは、
Ubuntu Serverで以前から使用されていたもので、23.04以降の新型インストーラのバックエンドとしても利用されています。
Ubiquityの主な機能
Ubiquityは、以下の様な多岐に渡る機能を備えていました。
国際化サポート: 多言語に対応しており、世界中のユーザーが利用しやすい設計です。
自動インストールサポート: 事前に設定ファイルを準備することで、インストール作業を自動化できます。
派生ディストリビューション向けのカスタマイズ: 各派生ディストリビューションのニーズに合わせて、インストーラーの見た目や機能をカスタマイズできます。
クラッシュ自動検出 (Apport) サポート: インストール中にエラーが発生した場合、自動でレポートを送信する機能があります。
タイムゾーンのグラフィカルな設定: 地図をクリックするだけで、簡単にタイムゾーンを設定できます。
インストール済みのOSからのアカウントインポート:
Linux、Windows、Mac OS Xにインストールされた既存のユーザーアカウントの設定を移行できます(migration-assistant)。
ユーザーアカウント設定: 新しいユーザーアカウントの作成と設定が可能です。
電子メールアカウント: 電子メールアカウントの設定を移行できます。
インスタントメッセンジャーアカウント: インスタントメッセンジャーアカウントの設定を移行できます。
インターネットのブックマーク: ブラウザのブックマークを移行できます。
ユーザーの画像、壁紙、文書、音楽、写真フォルダ: Windows環境でのユーザーデータを移行できます。
Ubiquityを採用していた主なディストリビューション
Ubiquityは、多くのUbuntu派生ディストリビューションで採用されていました。以下に主なディストリビューションを挙げます。
公式派生ディストリビューション
Lubuntu
Mythbuntu
Xubuntu
非公式派生ディストリビューション
Asturix
elementary OS
gNewSense
linuxBean
Linux Mint
Trisquel
Zorin OS
関連情報
Lubi:
Ubuntuのインストールツールの一つ。
Wubi: Windows環境からUbuntuをインストールするツール。
外部リンク
Ubiquity
*
Ubiquity - Launchpad