V-11

V-11について

V-11（ロシア語: В-11）は、ソ連が開発した艦載自動対空砲です。37 mmの砲を双連装にしたこのシステムは、ソ連海軍およびその後のロシア海軍で重要な役割を担いました。V-11は、1938年から生産が始まった70-K高角砲を基にしています。この高角砲は1940年に軍の正式な武器として採用され、その後、1942年から1943年にかけて多くのソ連艦船で使用されました。

開発の経緯

70-K高角砲は非常に効率的な設計であり、1671門が配備されたほか、489門が陸軍にも納入されました。70-K高角砲の成功を背景に、連装砲としてのV-11が開発されることになりました。1940年2月、海軍砲科科学研究所（ANIMI）から新たな高角砲に関する仕様が提示され、翌月には設計が完成しました。その後、1941年には試射を行い、生産契約が結ばれるなど、段階を踏んで進化していきました。最初の試作品は1944年3月に完成し、実用試験も同年夏に実施されました。

この結果、V-11は1946年に海軍に正式採用され、以後、様々な艦船に搭載されることが決定します。1944年から1958年の間に、合計で1872基のV-11が製造され、1991年時点でも1000基以上が現役でした。

構造と性能

V-11の主な特長は、70-Kの弾道自動装置を基盤にしつつ、水冷システムを導入したことです。このシステムでは、砲身カバー内で冷却水が強制循環し、高温状態を防止します。また、砲の上下左右の照準は手動で行い、振動を補正する安定装置も設在します。V-11の砲の口径は37 mm、全体の重量は3400 kgで、360度の旋回が可能です。発射速度は毎秒360発に達し、最大射程は8400 mです。

一方で、艦船の種類によっては仕様に若干の違いがあり、安定化装置の有無などに差異があります。例えば、巡洋艦や艦隊水雷艇の一部型には安定化装置が搭載されていない場合もあり、その代わりに自動照準装置を利用しています。

搭載艦船

V-11はさまざまな艦船に搭載され、以下のような型式があります。26号計画型軽巡洋艦、30-K号計画型艦隊水雷艇、42号計画型警備艦などがあり、大規模な艦隊の中でその役割を果たしました。特に68号計画型軽巡洋艦では、20基のV-11が搭載予定でしたが、最終的には14基から16基の実績があります。

また、射撃管制には「ヤーコリ」と呼ばれる射撃照準レーダーが装備され、効果的な火力運用を可能にしました。これにより、V-11は艦隊に不可欠な存在となりました。

V-11はその設計の優れた点と高い生産性から、長 yearsにわたって活躍し続けました。今でも、その技術や運用方法は多くの軍事愛好者や研究者に注目されています。

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