VA-3 インベーダー

VA-3 インベーダーは、OVA『マクロスダイナマイト7』やゲーム『マクロス VF-X2』に登場する可変攻撃機です。メカニックデザインは河森正治氏が担当し、アメリカ軍の攻撃機A-6 イントルーダーをモチーフにした独特な丸みを帯びたフォルムが特徴です。「インベーダー」という愛称は「侵略者」を意味します。

開発経緯

VF-1 バルキリーをはじめとするVFシリーズのデザインを手がけてきた河森氏は、機体の形状が似通ってくることに課題を感じていました。そこで、デザインの差別化を図るために、A-6 イントルーダーをモデルにした可変攻撃機を考案しました。同時期には、VB-6 ケーニッヒモンスターの原型となる可変爆撃機のラフデザインも行っています。

VA-3の初出は、1992年の雑誌『B-CLUB』のマクロス特集でした。当初は没案となった企画『星嵐』に登場するメカとして、バトロイド形態のラフ画が公開されました。その後、1995年にムック『THIS IS ANIMATION Special マクロスプラス』でイラストと設定が公開され、正式に「マクロス」のメカとして登場しました。アニメでは、1997年のOVA『マクロスダイナマイト7』で、密漁団の機体VA-3C改として初登場しました。

当初は水中での使用は想定されていませんでしたが、1999年のゲーム『マクロスVF-X2』で水上・水中用のVA-3Mが登場し、VA-3は水中活動が可能な機体として認識されるようになりました。

機体解説

VA-3は、高精度な火器管制装置（FCS）と豊富な弾薬搭載量を誇るVAシリーズの一機です。ノースロム社のグラマン航空機部門が設計・製造を担当しました。

従来のVFシリーズは全領域兵器として優れていましたが、変形機構との兼ね合いから弾薬・推進剤不足に悩まされていました。一方、デストロイドシリーズは大火力ですが、動きが鈍重でした。大規模な宇宙移民計画の開始に伴い、地上攻撃の重要性が高まり、VFとデストロイドの利点を兼ね備えたVAおよびVBシリーズが開発されました。

VA-3は、主翼に6箇所、胴体部に5箇所のハードポイントを持ち、最大19,820kgの兵装を搭載可能です。ドッグファイトにおける運動性能はVFに劣りますが、装甲などの強度は上回っています。アタッカー形態は魚類のような形状で、低空・低速域での安定性に優れます。熱核反応タービンエンジンは主翼の根元に2基搭載されており、超音速巡航が可能です。バトロイド形態は半魚人のような特異な形状で、コクピットは頭部に位置します。頭部には4基のサブカメラが設置され、対地監視能力が高いです。マニピュレーターは4本指です。

運用性の高さから、統合軍では地上制圧用のVAとして量産され、移民船団などに普及しました。その派生機は2050年代においても使用されています。

バリエーション

VA-3A: 初期タイプ。ボドルザー戦にも参加したとされる。
SVA-145 クラウドダンサーズ: CV-111 LANGLEY所属機。ライトグレー地にブルーとライトブルーのストライプ。
SVA-155: ARMD-5 AKAGI所属機。グレーとグリーンで塗り分け。
VA-3B: 赤外線センサーとカメラを装備し、全天候能力が向上。Mk.82爆弾やガトリングガンポッドを装備。
EVA-3A: 電子戦用。AQL-200多帯域トラックブレーカーなどを搭載した複座型。
VA-3C: VA-3C改の原型機。
VA-3C改: 『マクロスダイナマイト7』に登場。密漁団が改造した機体。エンジン改造や水中活動時間の延長が施されている。捕鯨用の武装を装備。
VA-3M: 『マクロスVF-X2』に登場。水上航行や水中潜行が可能な全領域攻撃機。指が3本のマニピュレーターを持つ。

商品化

アニメでの登場頻度が少ないため、マイナーな部類に入り、単品での本格的なマスプロ商品化はされていません。スタジオ・ハーフ・アイからレジンキャストキットが、やまとから非可変のフィギュアが発売されています。

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