VAMPS (アルバム)

VAMPS - ライブを体感させる1stアルバム

『VAMPS』は、L'Arc〜en〜CielのHYDEとOblivion DustのK.A.Zによるロックユニット、VAMPSが2009年に発表した初のアルバムです。インディーズレーベルVAMPROSEからのリリースであり、彼らの音楽的な方向性を確立する重要な作品となりました。

背景

HYDEはソロ活動でK.A.Zを共同プロデューサーに迎え、楽曲制作を行ってきました。2005年以降はK.A.Zがサポートギタリストとしてライブやレコーディングに参加し、2006年のHYDEの3rdソロアルバム『FAITH』ではコンポーザーを分担するなど、二人の関係は深まっていきました。その流れから、HYDEはK.A.Zとのユニット結成を提案し、VAMPSが誕生しました。

VAMPSは2008年に最初のシングル「LOVE ADDICT」を発表後、ライブツアー「VAMPS LIVE 2008」を敢行。全国6都市のZeppを巡る46公演にも及ぶ長期ツアーは、以降のVAMPSのライブスタイルの原型となりました。また、「SUMMER SONIC|SUMMER_SONIC 2008」にも出演するなど、精力的に活動を展開しました。

アルバム制作

ライブツアーでの経験を踏まえ、VAMPSはアルバム制作に取り組みました。彼らはライブで盛り上がる楽曲を中心に収録することを意識し、「ノリの良い曲を選んでいっただけ」とHYDEは語っています。K.A.Zも「お客さんがノリやすい曲だったりとか、盛り上がる曲だったりとか、バンド的にもテンションが盛り上げやすい曲だったりとか。それを実際に体感した部分もあったので、それは意識しましたね」と述べています。

アルバムのマスタリングは、スターリング・サウンドのテッド・ジェンセンが担当しています。

音楽性

VAMPSの音楽性は、80年代の華美なロックバンドへの憧憬を基盤としています。HYDEはVAMPSのイメージについて「俺らが高校時代に作りたかったバンドを、今作ってる感じ」と語り、ロックの持つ毒やスタイリッシュさを追求したいと述べています。憧れのバンドとして、GASTUNKやミスフィッツ、モトリー・クルー、ハノイ・ロックスなどを挙げています。

K.A.Zは「VAMPSは、そういう憧れを真剣に、それで楽しくやろうとしてるからいいんだと思うよ」と語り、固定観念にとらわれず、面白いと感じることを形にしたいと述べています。

アルバムには、「I GOTTA KICK START NOW」「EVANESCENT」といったシングル曲に加え、「SWEET DREAMS」など全13曲を収録。ライヴを意識した、ノリの良い楽曲が中心となっています。

楽曲について

COSMOS: ニュー・ウェイヴ以降のギターロックテイスト。
VAMPIRE DEPRESSION: ヘヴィなロックオーケストラをイメージ。
REDRUM: グルーヴィでアグレッシヴなヘヴィロック。タイトルは「MURDER」のリバース・スペリング。
DEEP RED: ニューウェイヴと歌謡曲のテイストを内包した、妖艶なロックナンバー。
HUNTING: HYDEのシャウトが印象的な、短いハードロック。
SEX BLOOD ROCK N' ROLL: ライヴ映えを意識したロックナンバー。VAMPSのライブでは定番曲。アルバムを象徴するような存在。

リリース

アルバムはフィジカル発売に先駆け、iTunes Storeなどで先行配信されました。フィジカルは初回生産限定盤（CD＋DVD）、通常盤（CD）の2形態でリリース。初回盤にはミュージックビデオを収録したDVDが付属しています。

2009年9月には、Gan-Shin Recordsから欧州盤もリリースされています。

収録曲

1. I GOTTA KICK START NOW
2. MAD QUALIA
3. COSMOS
4. REVOLUTION II
5. EVANESCENT
6. VAMPIRE DEPRESSION
7. REDRUM
8. DEEP RED
9. SECRET IN MY HEART
10. EASY HYSTERIA
11. SEX BLOOD ROCK N' ROLL


『VAMPS』は、VAMPSの原点であり、彼らのライブパフォーマンスへの情熱と、80年代ロックへの愛情が詰まった作品です。彼らの音楽世界への入り口として、ぜひ手に取ってみてください。

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