VF-0 フェニックス

VF-0 フェニックス（ブイエフ ゼロ フェニックス）

VF-0 フェニックスは、2002年から2004年にかけて制作されたOVA『マクロス ゼロ』に登場する架空の兵器で、可変戦闘機である「バルキリー」の一種です。この機体は、ファイター（戦闘機）、バトロイド（人型ロボット）、さらにはその中間形態であるガウォークの3つの形態に変形することができます。劇中では、主人公工藤シンが属する地球統合軍の機体として描かれ、このVF-0は『超時空要塞マクロス』に出てくるVF-1バルキリーの試作機として設定されています。VF-0という名称や愛称「フェニックス」は、伝説の鳥「不死鳥」を意味し、力強さや再生の象徴とされています。

概要

「マクロスシリーズ」20周年を記念して制作された『マクロス ゼロ』の主役機であるVF-0は、エピソードが2008年という時代背景から、VF-1の前型として特別にデザインされました。監督の河森正治は、VF-1に基づく変形機構の設定は比較的簡単であったと語っています。機体のデザインにおいては、機体を薄くし、装備や機能の改善が行われました。VF-0の背面にはコンフォーマル・タンクが追加され、外観に新しさを加えています。

メカニックデザイン

この機体のメカニックデザインは河森正治が手掛けており、彼自身のビジョンを反映したものとなっています。河森は当初、VF-1よりも古風なデザインにしようとしましたが、F-14戦闘機に似すぎてしまったため、最終的には機体の未来的な側面を強調したデザインに仕上がりました。劇中では、VF-0は「ゼロ」や「VF-0」と呼ばれていますが、製品やメディアでは「フェニックス」という名称が広まりました。

機体解説

VF-0は、地球統合軍の試作機として開発されましたが、反統合同盟軍が先にSV-51を完成させたことを受けて、地球統合軍は急遽VF-0の量産を決定し、約30機を製造しました。試作機の運用には、開発技術者も派遣され、実戦での微調整や整備が行われました。この機体は、当初は非実用的であった熱核反応エンジンの代わりに大推力を誇るEGF-127ターボファンエンジンを搭載していますが、十分な燃費効率が欠如しています。そのため、空中給油機の支援なしでは作戦行動に制限がありました。

武装と性能

VF-0は、メインノズルに推力偏向機能を持っており、高度な飛行能力を発揮します。武装としては、頭部にレーザー機銃を、また35mm3銃身のガトリング砲や空対空ミサイルを搭載しています。これにより、様々な状況に対応できる柔軟性を持ちながらも、限定された航続距離という弱点があります。

ゲームへの登場

VF-0は、様々なゲーム作品に登場し、その人気を持続させています。『スーパーロボット大戦』や『マクロスエースフロンティア』などのタイトルでもプレイヤーが操作できる機体として知られています。

バリエーション

VF-0には複数のバリエーションが存在し、標準型のVF-0A、指揮官仕様のVF-0S、生産が見送られたVF-0B、さらなる性能向上を目指したVF-0Dなどが含まれます。これらの機体は、それぞれ異なる機能や役割を持っており、ストーリーの中でも重要な役割を果たします。

商品展開

この機体は商品化もされており、プラモデルやトイとして多くのファンに愛されています。特に、プラモデルはその出来映えから高い評価を受けています。

劇中でのストーリー

VF-0は、プロトカルチャー遺跡争奪戦に参加し、統合軍の訓練を経た若いパイロットたちによって操作されています。この戦闘は、初のVF同士の戦いとなり、その後のVF-1の開発に重要なデータを提供しました。半世紀後には彼らの歴史が映画化されるなど、マクロスシリーズにおける重要な一器となっています。

VF-0は、過去と未来を繋ぐ架け橋として、今なお多くのファンに親しまれています。この機体はそのデザインや性能だけでなく、ストーリーの中で重要な役割を果たすことで、マクロスシリーズにおける特別な存在感を持っています。

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