Vine Linux

Vine Linux（ヴァイン・リナックス）

Vine Linuxは、1998年にProject-JEのメンバーを中心に開発が開始された、日本国産のRPM系Linuxディストリビューションです。当初はRed Hat Linuxをベースとしていましたが、バージョン3.0からはProject Vineが独自に開発を進めていました。開発版はVineSeedと呼ばれ、各バージョンにはワインの名前がコードネームとして付けられていました。ただし、Linux Standard Baseには準拠していません。

開発終了

2021年5月4日、VineSeedを除くすべてのバージョンのリリースが終了しました。これにより、Vine Linuxは新規のインストールやアップデートが事実上不可能となっています。

特徴

Vine Linuxは、1990年代後半に日本語対応が十分でなかった海外製Linuxディストリビューションに代わり、日本語環境を提供する先駆けの一つとして登場しました。2001年頃までは、特に日本語環境を必要とするユーザーに支持されていました。しかし、FedoraやUbuntuなど、より初心者向けのディストリビューションが登場したことで、その人気は徐々に移行しました。

開発はProject Vineが中心となり、各開発者が自身の求めるOSを形作っていました。しかし、他の主要なディストリビューションと比較すると、セキュリティ修正の対応が遅れる場合がある点には注意が必要です。

Vine Linuxの主な特徴としては、以下の点が挙げられます。

EmacsやLaTeXの日本語環境がデフォルトで設定されている。
プログラミング環境（GCCなど）が標準で搭載されている。
JM Projectによる日本語マニュアルが採用されている。
Project Vineが開発したVLゴシックフォントファミリが標準で採用されている。

サポート

セキュリティ関連の対応はVine Linux Security Watch Teamが行っており、修正プログラムは原則として次のメジャーバージョンリリースから1年後まで提供されていました。修正パッケージは、ソフトウェアのバージョンアップではなく、不具合箇所の修正に重点が置かれていました。これは、セキュリティ修正によるソフトウェアの動作変更を防ぐための方針でした。マイナーバージョン間では大きな変更がないため、修正パッケージの共有が可能である場合が多いものの、新しいマイナーバージョンでの修正パッケージが推奨されていました。

バージョン6.xからは、ppc(PowerPC搭載のMacintosh)がサポート対象外となりました。

VinePlus

VinePlusは、Vine Linux対応のRPMパッケージ群です。Project Vineが管理するサーバで提供されていましたが、OSをアップグレードすると動作しなくなる可能性があり、利用は自己責任となっていました。

過去には、VinePlusのRPMパッケージに必要なパッケージがサーバに存在しないという事例もありました。バージョン3.0以降、VinePlusは細分化され、メンテナンスが滞っているパッケージはextrasやorphanedリポジトリに分離されました。これらのリポジトリにあるパッケージは、apt-getを使用してインストールできますが、事前に設定ファイルの編集が必要でした。

VinePlusは原則としてFHS 2.3には準拠しておらず、FSSTND 1.2に準拠しています。特許関連の制約があるソフトウェアについては、ユーザー自身でのインストールが求められ、それらのRPMパッケージを作成するためのSRPMパッケージがnonfreeリポジトリで提供されていました。

主要バージョン一覧

Vine Linuxの各バージョンには、ワインにちなんだコードネームが付けられており、VinePlusパッケージやサポート期限もこれらのバージョンごとに管理されていました。

関連項目

Project-JE

脚注

注釈

出典

外部リンク

Vine Linux ホームページ
Vine Linux ユーザーフォーラム | Google グループ
VineLinux-FAQ - 2ch-Linux-Beginners (日本語FAQ集)
* DistroWatch.com: Vine Linux

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